日記1998年09月04日

何だか知らないが、家族揃って早起きしてしまう。いつもより1時間早い6時半だ。特に息子4才が絶好調。朝ご飯を食べ終わると、エナちゃん(保育園の友達)に手紙をあげると言ってメモ用紙に何か書いている。見ると、手が耳のあたりに付いてはいるが人間の絵である。何をしてるところか尋ねると「エナちゃんがお友達のオモチャをとってるとこ」だと言う。ラブレターではないらしい。

家の外に出ると、からっとして気持ちのいい秋晴れである。一家4人で車に乗り、3分ほどで保育園に着く。息子の着替え、タオル、歯ブラシ等を所定の場所にセットしている間、息子は笑いながら教室の中をぐるぐると走り回っている。エナちゃんはまだ来てないので、手紙はカバンの中にしまっておくことにする。

娘7ヶ月の用意を済ませた奥さんと2人で再び車に乗り、会社まで15分くらい走る。今日は涼しくてエアコンはいらなかった。あまり気持ちが良いので「俺、昼から帰るわ」と宣言する。「よろしいな~」と言われる。

仕事を昼までで切り上げ、自分の机で出前の盛り合わせ寿司を食べてから駅前のデパートビルまで歩いて行く。まず本屋で「アイデンとティティ」(みうらじゅん、角川文庫)、「群発自殺」(高橋祥友、中公新書)、「青春の夢と遊び」(河合隼雄、講談社+α文庫)、「絶対音感」(最相葉月)を買う。「アイデンとティティ」は傑作。本当のロックを模索するバンド青年が主人公の漫画で、彼を導くのがボブディラン、ジョンレノンの幻影である。そういえば、僕も大学の時は中途半端なロックバンドのドラマーだったのだ。

次にCD屋で山下達郎「コージー」、ジョージ・マーチン「In My Life」、スタン・ゲッツ「Plays」を買う。それから、和菓子売り場でわらびもちを買って、「アイデンとティティ」を読みながら電車で帰る。

駅から家まで歩きながら、なおも「アイデンとティティ」を読み耽っていると、メガネを掛けた小学生の少年に「何してんの?」と話しかけられる。「んー? 本読んでんねん」と答える。後ろから来た車をよけるために、少年は感想を言わずに道の向こう側に行ってしまう。酒屋に入りアサヒDUNK、サッポロ五穀、ヱビスを合わせて8本買う。

CDを聴いているうちに夕方になり、奥さんと子供たちが帰ってくる。今日は息子の希望により焼き肉パーティということになった。娘に離乳食を食べさせてから、ホットプレートで肉や野菜を焼いてオロシぽん酢で食べた。アサヒダンクはイケる。サッポロ五穀も発泡酒の中では一番旨いと思う。ご飯の代りに「冷凍焼きおにぎり」を焼いて食べる。

息子の話によると、エナちゃんは手紙を受け取るとすぐにカバンに入れたそうだ。そして、それを見ていたカナコちゃんが「わたしのは~?」と聞いたので、今度はカナコちゃんにも書いてあげるそうである。彼もなかなか楽しげな保育園ライフを送っているようだ。

食後にわらびもちを食べ、食器を洗って、タイガースのナイターをラジオで聞きながら(坪井の新人最高打率が楽しみだ)子供たちを風呂にいれる。息子は湯船に潜って遊んでいる(そういえば、湯舟はどうしたんだ?)。10秒くらいは潜って、目も開けていられるようだ。この夏の初め頃は、洗面器で顔を浸ける練習をして鼻から水を吸って咳き込んでいたのに、すごい進歩である。

娘にミルクを飲ませて、寝床に連れていき、彼女を寝かしつけながら月を眺める。それから、こうして日記など書いている。わりとハッピーな一日ではあった。