日記2005年07月25日

愛知万博に行く。全然興味も無かったのだが、子どもたちが行きたがるので名古屋に2泊して見に行くことなった。2週間ほど前にインターネットで調べたら、時既に遅し、1ヶ月前からネットで2つのパビリオンの予約ができるのだった。予約にはチケットの番号が必要である。チケットを旅行代理店に買いに行ったら「取り寄せ」に数日かかるという。チケットを手に入れてから公式サイトの予約のページを見てみたが、もう全然空いているところは無く、予約することはできなかった。1ヶ月前の朝イチ、予約可能になって1時間くらいでみんな予約が埋まってしまうようだ。

朝早く起きて8時頃新大阪発の新幹線に乗る。子どもたちは初めて新幹線に乗るので最初は喜んだがすぐに飽きて寝てしまった。名古屋まで1時間しかかからない。名古屋からは中央線・愛知環状鉄道経由の直通列車に乗れる切符を持っているのだが、ネット情報によるともっと早くて楽に行けるというシャトルバスに乗り換えることにする。名古屋駅を出て、みんなの着替えを入れた大きなバッグをコインロッカーに押し込んでから、名鉄バスセンターというところに歩いていく。バスは確実に座れて35分で会場に着くから確かにラク。

10時頃会場の東ゲートに着く。東ゲートからパビリオンが建っているあたりまではだいぶ歩かされる。電車・リニモ経由だと北ゲートに着いて歩く距離は短いが、ゲートがとても混んでいる。とりあえず、混んでいそうな有名パビリオンはパスしてキッコロゴンドラに乗って会場のはずれまで行く。JRの愛知万博往復切符を持っているので、キッコロゴンドラが大人600円のところ200円引きになる。

グローバルコモン4の外国館を見て回る。ロシア館にマンモスの骨格化石があるが、すごく空いているのですぐに見ることができる。これで、大人気の「マンモスラボ」に並んで見る必要は無いということになる。イギリス館の前庭(イングリッシュガーデン?)にはビートルズの歌が流れ、「この庭に月から飛んできた石が落ちたが、未だ発見されていない」と看板に書いてある。謎掛けの意味が判らない。探したら何か落ちているのだろうか?

そうこうするうちに昼になり、適当に昼食。奥さんはナンみたいなものにカレーを付けて食べるマレーシア料理。僕と娘は同じ店で東南アジア系の男が焼いている焼きそばを買ったが、日本の普通の焼きそばだった。息子はヨーロッパのどこか風ホワイトカレー、ちょっと辛いクリームシチューという感じだった。食後に息子が「どんどるまん」(トルコアイス)を食べる。アイスクリームをクルクルと操って子どもをからかうトルコ人の兄ちゃん(日の丸「必勝」鉢巻きをしている)と記念撮影。僕と娘は「山形さくらんぼソフト」を探しているのだがどこにあるのか判らないので、スモモソフトクリームを食べる。

モリゾーの運転するIMTSに乗って西ゲートに行き、娘が見たいという長久手日本館に並ぶ。90分待ち。待っている間、小さい折畳み椅子が重宝する。建物の壁に小さい笹が植えてあるが、雨が降ったら土が流れてしまわないのだろうか、アイデア倒れではないの? 竹を多用しているのはいいと思う。日本中の山で竹が生えすぎて困っているんだから竹はどんどん使うべきである。メインの映像は迫力があってまあまあ面白かった。足より下にもスクリーンがあるので宙に浮いた感じになる。

水の広場というところで子どもたちが遊ぶ。こういうのは他所にもあるんだからここで時間を使わなくても...という気になるが、足を水に浸けてみると疲れが取れる。フィールドアスレチックみたいなところを歩いて地球市民村という展示館に行く。子どもたちがクイズに答えてウチワをもらう。これもずっと重宝することになる。寝転がって環境映像を見るホールがあったので休憩しようとするが、変にカーブした寝椅子の形が悪いので、疲れた腰が余計に痛くなった。

キッコロとモリゾーの像があったので、前で記念撮影。そのへんにいた係員にデジカメの撮影を頼んだら、モリゾーの顔が切れていた。「記念撮影を他人に頼むと、必ず背景のてっぺんが切れた構図になっている」という法則が今回も確認できた。すぐそばにワンパク宝島というのがあるが、賓客が観覧中のため4時まで入れないというので30分待って入る。子どもの遊び場みたいなところだったので、大人は椅子で休憩。

三菱未来館の前を通ったら、20分待ちだったので並ぶ。三菱未来館というのは大阪万博では入らなかったが、ポートピアと筑波博で入ったような気がする。でも内容は全く覚えていない。建物の壁がペットボトルでできているが、ペットボトルの形がみんな同じということは未使用じゃないのか? 未使用のペットボトルで建物を作ることにどういう意味があるのか? 案内役のロボットはタイヤで自走して手を動かすだけ、全然芸が無い。もしも月がなかったら、の話はなるほど。やっぱり月は大事だ。

隣の展覧車も30分待ちくらいだったので並ぶ。展示には面白みも説得力も無い。車は人間の夢なんだからエコロジカルじゃなくたっていいだろう、という感じ? ただの観覧車。景色は良い。

夕食に焼き鳥丼みたいなものを食べる。結構うまい。子どもたちはピザ。その後、グローバルコモン6に行く。東南アジアの香りが漂う。香辛料やインセンスの匂い。台風接近のためか早くも閉めてしまっているところが多い。シンガポール館の前で座っていると、隣にいた関係者らしきお姉さんがケータイで誰かと話し始める。「うーん、ウチの屋根が飛ぶんだったら他もみんな飛ぶでしょう。」

オーストラリア館では、部屋の隅に作り付けられた巨大カモノハシに子どもたちが群がっている。白人のお姉さんが「皆さん、靴は脱がなくていいですよ!」と叫んでいるが、子どもたちは段のところで自動的に靴を脱ぐ。お姉さんは「上に登ってはダメです、座るだけ!」とも叫ぶが、登ろうとする子どもは絶えない。日本の子どもは、こういうものを見ると反射的に靴を脱いで登る習性があるのだ。カモノハシの習性についてはよくわからなかった。

万博の1日を堪能したので帰ることにする。サンダル履きの足の裏にマメが3つもできて痛い。腰も痛い。やはり万博のテーマは「人類の辛抱と長蛇」である(EXPO70を知らない人のために説明すると、大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」だがあまりに待ち時間が長いので「辛抱と長蛇」というパロディが生まれた)。東ゲートまでとぼとぼ歩いて8時半頃のバスに乗る。

名古屋駅でロッカーからバッグを出し、タクシーに乗る。運転手によると、名古屋のホテルが万博の客で埋まりビジネス客が泊れずに帰ってしまうので、接待が減りタクシーの客が減ったとのこと。千種のホテルまでは結構遠く、2000円もかかった。名古屋は広い。9時半チェックイン。TVのニュースで、今日万博に秋篠宮一家が来ていたことが判る。自販機で缶ビールを買って飲む。風呂に入って、僕だけシングルルームで寝る。

日記2005年07月26日

さすがに疲れたので8時まで寝てしまう。朝食はホテルの自動販売機コーナーでホットドッグとタイ焼きと焼きオニギリを買ってきて部屋で済ます。台風接近中につき、万博見物をとりやめて名古屋市内観光に出かけることにする。

ホテルの外に出ると小雨が降っている。まず名古屋港水族館に行くために地下鉄に乗る。名古屋港に着いた頃には雨は上がっていた。近くに観覧車が見える。大阪の海遊館のあたりとよく似た景色だ。外に大きなプールと観客席があって、イルカのショーが始まるところだった。前の方の席に座ってじっくり観る。なかなか迫力があった。ショーが終って水族館の展示を見に行く。銀色の海水魚はどれもうまそうだ。いつもながら、水中を泳ぐペンギンは速い。ナポレオンフィッシュの顔はでかい。横顔をデジカメで撮った。ウミガメは恐い顔でガラス越しに睨みつけてくる。人工孵化させたウミガメの子どもがたくさんいて、これがみんな育ったら飼うのが大変だろうなと思ったら、海に放流するとのこと。

12時を過ぎてお腹も空いたので名古屋駅のあたりで昼ご飯を食べようということになり、地下鉄の駅に戻る。ところで、名古屋では名古屋駅のことを「名駅(めいえき)」、名古屋港は名港という。名古屋城を名城というのかどうかは知らないが、名古屋城の近くを通る地下鉄環状線は名城線である。でもこの名古屋をメイと略す風習は何か変だ。名古屋に来てからずっと考えていたのだが、何が変なのかがやっと判った。「名ナニナニ」というのは、名医とか名曲とか名馬というように「優れている」ことを表す言い方である。名駅、名港といったら優れた駅や優れた港という意味になる。ナゴヤの駅、港ならばナ駅、ナ港と略すべきではないか。いや、ナゴヤの人にとっては「ナゴヤ=優れている」なのかもしれない。それなら、いっそドラゴンズの選手のことも「名選手」と略してはどうか。

などと地下鉄の中で考えているうちに予定が変更になった。名駅には寄らず、息子が見たいという名古屋ドームまで行くことになる。事前に調べたところでは今日は野球の試合は無いが、グッズショップとレストランは開いているようだ。

地下鉄の名古屋ドーム前駅から地上に出ると雨が降っている。ドームまでは結構歩くが、ずーっと屋根が続いていて全く濡れずに行けるようになっている(ただしJRの駅からだと濡れそう)。近くまで来たところでドームをバックに記念撮影。あたりには我々以外誰もいない。ドームの形は平凡なお椀型で、大阪ドームのようなワケのわからないインパクトは無い。大きさも大阪ドームより小さく感じる。ドームのそばまで来てみると、正面の壁に妙に迫力の無い水色の竜の絵が掲げてある。とろんとしたしまりの無い目付きが、竜らしからぬ脱力感を醸し出している。しかし、何となくどこかで見たような目付きだなあと思ってよく考えたらこれはオチアイ監督の目とちゃうか? つまり「オレ竜」だということに気付いた。

そこから右に3分の1周ほど歩いたところにグッズショップとレストラン街みたいなところがあった。セルフサービスの店が6軒くらい並んでちゃんと営業しているが、我々以外の客はひと組だけだった。名古屋らしく味噌カツを頼もうとしたら、そのお客のうちの一人のおじさんがカウンターの中に入ってきて注文を聞いた。ヒレ味噌カツ定食2つ、と言ってお金を払ったら「73」と書かれたプラスチックの番号札をくれる。他にお客がいないのに何で番号札が必要なのか? 味噌カツができて番号札と引き換えに受け取る。おじさんは子ども用の取り皿を用意してくれていたが、子どもたちは別の店で注文したざるそばを食べているのでいらないのだった。味噌カツのタレは甘くてちょっと苦くてチョコレートみたいだが、意外とイケた。

天井からぶら下がっている大型液晶TVに台風の進路が映っている。東海直撃コースだったのが、東の方にそれたようだ。全国ネットのニュースは台風が関東地方に接近すると、他の場合より熱心に台風情報を伝える。

レストランのフロアからスタンドへの入り口がガラスドアなので中をのぞき込むとグラウンドが見えた。立て看板みたいなものがいっぱい並んでいる。明日、就職説明会があるらしい。

お客のいないレストランフロアを出て、グッズショップに入る。中日ドラゴンズのマスコットはシャオロンというのか、知らなかった。「小竜」の中国読みだろうと推測する。タイガースグッズもたくさん売られていて、息子が欲しがっていた「タイガース扇子」があったので買ってやる。

ショップを出たところにある表示板によるとドームの周囲は750mだそうである。それを見た息子が走って1周してみたいという。時間を測ったら3分くらいだった。僕は腰が痛くてそんな元気は全然無い。駅まで歩いて戻る途中に図書館があったので、中に入って休憩する。小さい図書館で、別に読みたいものも無かったのでぼおっと座って休む。子どもの頃、名古屋に引っ越した友人の家に泊まり、名古屋市科学館に行ったのを思い出した。行ってみようかと思って開いている時間を調べたら、もう終りかけだった。

また地下鉄に乗って栄まで行く。デパ地下で夕食を買い込んで、ホテルの部屋で食べようということにしたのだ。地下街の薬局で湿布薬とドリンク剤を買う。デパ地下に行って総菜売り場を探しているとジェラートとソフトクリームの店があったので、子どもたちはジェラート、僕はソフトクリームを食べる。奥さんは我慢している。それから総菜売り場をうろうろして、僕は「天むす」、奥さんは「手羽先」、息子は「鰻丼」、娘は「おこわ」に決定。ミニトマトも買う。それからパン売り場で明日の朝食用にパンを買う。

またまた地下鉄に乗ってホテルの最寄り駅まで戻る。切符を買う時に奥さんが、今日は「地下鉄一日切符」を買えば良かったということに気付いたがもう遅い。駅に着いて地上に出ると鮮やかな虹が出ていた。デジカメで写真を撮る。周りにいた人たちもケータイを空に向けていた。コンビニに寄ってビールとジュースとお菓子を買う。ホテルの入り口に着くとフロントの女の子が外に出てきてケータイで虹を撮った。

ビールと天むすの夕食をとりながらテレビで阪神ー巨人戦を観る。シーツがホームランを3本打ってボロ勝ち。この調子で、あのとろんとした目付きのオレ竜なんかには絶対抜かれずに優勝して欲しい。風呂に入り、腰に湿布を2枚貼ってもらって寝る。今日は奥さんがシングルルームに行き、僕は娘と寝る。娘の寝相が悪くて熟睡できなかった。

日記2005年07月27日

6時半起き。朝食は昨日デパ地下で仕入れたパン。今日はどうやって万博まで行こうか。ホテルのある千種から万博に行くには3通りのルートが考えられる。1、JR千種から中央線、愛知環状鉄道経由で行く。2、地下鉄東山線で星ヶ丘まで行ってリニモ乗り換え。3、名古屋駅に戻ってバス。昨晩ガイドブックで調べたところでは、中央線の万博直通列車は7時半くらいにならないと走っていないので、1は乗換えが多くてややこしそうである。2はリニモに乗り換える時にものすごく待たされるらしいのでパス。1、2は北ゲートに着くが、3で東ゲートに着いた方が早く中に入れそうな気もする。結局、地下鉄で名古屋駅まで戻って昨日と同じバスに乗ることにする。

地下鉄で名古屋駅まで行き、バッグをコインロッカーに押し込む。バス乗り場まで歩いて行くと、もう100人くらい並んでいる。15分くらい待つとバスが次々に出発し始めた。4台目に乗る。8時半に東ゲートに着いて、9時の開門まで並んで待つ。日差しは強いが、台風の名残りの風が吹いている。足元の地面には細かい木のチップが敷いてあり、コンクリートやアスファルト舗装より涼しげで良い。周りの山からアブラゼミの声が聞こえる。

開門から10分ほどでゲートを通り、「走らないで下さい!」という係員の声を聞きながら企業パビリオンゾーンまで早足で歩く。日立館の列に並んで10時半の整理券をもらう。次に三井東芝館に行こうとするが、人の流れに押されてすぐ隣の列に並んだらトヨタ館の「子ども・高齢者連れ優先」整理券の列だった。30分ほど並んで1時半の整理券をもらう。子どもたちはトヨタ館はつまらなそうだから観たくないというが、「せっかく整理券がとれたのだから、話のタネにどういう風にツマラナイか観てみよう」と説得する。

青い空に「POCARI SWEAT」という白い文字が浮かんでいるのを発見。テレビCMでやっているのと同じ広告をやっているわけである。よく見ると5機の飛行機が並んで飛びながら白い煙を吐きだして文字を作っている。周りの人たちも空を見上げ、それにつられて空を見た西洋人のオジサンが「ポカライ、スウェット? WHAT?」と言って眉をしかめた。そういえば、ポカリスウェットの発売当時に、飲み物の名前にSWEATつまり「汗」と付けるのは英語ネイティブの印象としては×ではないかという話を読んだような記憶がある。

コモン1に行き中央アジア館で大きな涅槃像を見たりする。モンゴル館でテント住宅「ゲル」の中に入ってみる。大阪万博跡地にある民族学博物館でも見たことがある。そういえば、最近大阪の万博公園に行ってない。久しぶりに行きたい。愛知万博の跡地には何ができるのだろうか。

整理券の指定時間になったので日立館に行く。小さめのノートパソコンみたいな携帯表示装置を渡されて狭い展示通路を歩く。表示装置を展示物の赤い印のところに持っていくと、絶滅危惧動物の説明が出てくる。同じ装置で同じ説明を表示しているのに、大人には漢字で子どもには平仮名で表示される。どうやっているのか考えたが、仕組みが見抜けなかった。通路の出口まで行くと表示端末が回収されるが、その時に端末の端に付いている透明カプセルを交換していた。燃料電池とのこと。

その後、乗り物に乗って双眼鏡のような装置を覗くと景色にCGが合成されるという展示を見る。CGで表示された動物に手をかざすと、動物が手に乗ったりする。手で握ったベルトのような装置で手の位置を検出しているのである。CGのフクロウ博士が僕の名前を読んで語りかけてくるところは、USJの「ET」と同じ。目新しい装置で面白かった。

昼食。シンガポール館の麺を食べる。イカやエビが入っているカレー味のラーメンみたいなもの。子どもたちはピザ。

そうこうするうちにトヨタ館の時間。整理券があっても30分くらい待たされる。中に入ると長円形のフロアステージを観客席が取り囲んでいる。まずラッパを吹くロボットの演奏。地味。ラッパを吹いたからどやっちゅうねん。その後、ダンサーと一人乗り変形4輪自動車による舞踏劇。前半の「温暖化による危機」を象徴しているであろうパートが冗長。どうやら地球温暖化を救うためにこの変形4輪自動車が登場したという趣旨のようだが、温暖化防止のためには万博会場で結構人気のある自転車タクシーの方がよっぽど役立つだろう。最後に人間が乗れる二足歩行ロボットが登場するが、動きが鈍い。トヨタ館はやっぱりイマイチだった。

みんなが一番観たがっていた三井東芝館に並ぶ。120分待ち。退屈なので周りの人々を観察して過ごす。この万博には高揚感みたいなものがあまり無くて良い。一応非日常的イベントのはずだが、みんなわりと淡々と楽しんでいる感じがする。環境保護がテーマ(だったっけ?)だから、会場のゴミ箱も細かく分別するようになっているし、展示内容も「このままでは地球は酷いことになります」みたいな話が多い。昔と違って「科学技術&経済成長万歳」的に脳天気になれない雰囲気がある。僕はもともと愛知万博には興味がなかったのだが、この中途半端な感じが結構気に入った。

いよいよパビリオンの入り口まで案内されたところで娘がトイレに行きたいと言い出す。案内係のお姉さんが関係者用のトイレに連れて行ってくれて事無きを得る。16人が一組となって建物の中に入り、水色の制服を着た可愛いお姉さんから説明を受けた後、穴の開いた箱の中に顔を突っ込む。デジカメ7台で自分の顔を撮影し、小さい映画館みたいな部屋に移動してCGのSF映画を観ると、自分の顔をしたキャラクターが登場して加山雄三と共演するのである。家族が次々に登場するが、CG化した顔が面白いので笑えた。

ひととおりいろんなところを回って観たいものは観た、ということで家族みんなが納得し、あとは適当にぶらぶらすることになる。サクランボソフトを探しに、こいの池まで歩く。途中の売店で娘にキッコロとモリゾーを買う。こいの池に面した日本広場の屋台で山形サクランボ・ソフトクリームを発見し、買って食べる。たしかにうまい。

奥さんの友人がアフリカ関係のパビリオンで働いているらしいので、アフリカ共同館に行ってみる。奥さんが友人のことを案内係の日本人に尋ねてみるが、知らないと言われる。ネクタイを締めたアフリカ青年が椅子に座って太鼓を叩いているのを近くて見ていたら、息子が手招きされる。息子が太鼓の叩き方を教わって青年と一緒に叩く。楽しそうだった。

娘が疲れたというので、外のベンチで休む。その間に奥さんと息子はエジプト館を見に行く。結構人気が有り、5分待ちくらいの行列ができていた。面白かったとのこと。

コモン3に移動。ドイツ館が空いていたら入ろうかと思ったが50分待ちなのでパス。スペイン館とイタリア館の間を歩く。スペイン館の外壁のデザインは赤白橙黒の蜂の巣模様で印象的。娘がまたトイレに行き、戻ってきたら首から下げていたモリゾーが無くなっている。トイレに忘れてきたという。奥さんがトイレに並んでいる列の先頭の人に頼んでモリゾーを取りに入らせてもらう。

夕方になり、もう何かを見て回る元気も無くなってきたので、北ゲートに向かってグローバル・ループ(デッキ)を歩く。何か乗り物に乗りたかったが、乗り物はみんなループを時計方向に走っていて、我々の進む方向とは逆なのだった。

腰を押えつつ何とか北ゲートまでたどり着く。子どもたちが公式グッズショップを見たがるが、混んでいるので「名古屋駅のキオスクで同じ物売ってるから」と言ってパス。ゲートを出てリニモの駅に行くとたくさん人がいるが、駅員に訊くとすぐ乗れるという。ホームから濃尾平野に沈む夕日が見える。3両編成の小さいリニモに乗ってぎゅうぎゅう詰めになる。とても滑らかに加速して5分ほどで終点に到着。JRの直通列車に乗換え。電車の床に折畳み椅子を広げて家族交代で座る。

名古屋駅のキオスクで少しお土産を買ってから、夕食に讃岐うどんを食べる。奥さんがみどりの窓口に行って、9:35のぞみの指定席を9:20に変更した。僕がコインロッカーにバッグを取りに行くが、遠かったので少し遅くなった。バッグをかついで走ったら足がもつれてコケそうになる。うどん屋の前まで戻ったところで奥さんが新幹線の時間は9:10だと言い、みんなで走って新幹線のホームに上がるとすぐにのぞみが来た。新幹線の中でビールを飲みたかったが、酔ったら新大阪から家まで帰るのが余計にしんどくなりそうなので、家まで我慢した。