フード・マイレージ2007年11月01日

フードマイレージという言葉が広まりつつあるようだ。「食品の重さ×輸送距離」がフードマイレージで、その値が小さい方が望ましい。同じ食品を買うなら、近くで生産されたものの方が輸送にエネルギーがかからないという単純な理屈だ。

日本人一人当りフードマイレージは年間5000t・km(トン・キロメートル)とかそんなものらしい。これはよその国に比べて何倍も多い。食料自給率が低くて外国産の食品ばかり食べているからだ。日本は省エネ先進国だとかいうけど、フードマイレージ的には世界最悪なのだ。これはいかんでしょう。

基本的にはフードマイレージの考え方には賛成である。僕も以前から食品を買うときにはなるべく生産地が近くのものを買うようにはしてきた。でも同じ野菜で近くで採れたものの方が高い場合もある。国内産が外国産の2倍の値段だったりする。ちょっとぐらいの差なら国内農家への応援という観点からも国内産を選ぼうとも思うが、2倍となるとちょっと考えてしまう。日々の献立を考えるだけでも大変なのに、悩みの種が増える。

自分の食生活を省みると、フードマイレージが一番悪そうなのは時々買うフランス産の炭酸ガス入りミネラルウォーターだ。1リットルのペットボトルを年に10本買うとして、0.01t×10000km=100t・kmくらいになる。焼酎やウィスキーを割るのにちょうど良いのだが、これを飲むために無駄な石油を焚いているわけである。今後は国産の水道水を使うことにしよう。これからの季節はお湯割りでいいし。

外付けハードディスク・トラブル その22007年11月05日

外付けハードディスクが壊れた話のつづき。データ復旧サービス会社にハードディスクを送って、受付完了のメールが来てから1ヶ月経っても音沙汰が無い。状況を知らせて欲しいとメールすると、あと1週間くらいかかるという。それから1週間くらい経ってハードディスクに入っているデータのリストが送られてきた。どうやら過去5年分の写真データが全部復活できそうだ。

修理費用の見積り金額は68000円也である。覚悟はしていたものの、やっぱり高い。でもしょうがないのでネットバンキングで振り込む。2日後に宅配便でハードディスクが送り返されてきた。まず壊れた方のハードディスクをパソコンに繋いでみたが、ウンともスンともいわない。これを直してくれたわけではないのだ。

データ返却用のハードディスクをパソコンに繋いで中を見ると、2GBの写真データと20GBのmp3ファイルとその他諸々が入っていた。写真は数千枚ある勘定になる。まあ結構な金額を払う値打ちはあるだろう。

早速、写真データをPC本体のハードディスクにコピーし、DVD-Rにもバックアップを取っておく。mp3データの方は手持ちのCDを入れたものなので、バックアップは不要だが、アルバム170枚分を僕のPCのiTunesのライブラリに追加した。170枚入れ直す手間が省けた。

とにかくこれでひと安心だが、このDVD-Rとかいうヤツもいつまで読めるのかはわからない。何年か経ったらレーザーで焼いた信号パターンが薄くなってしまうかも知れないし、そもそも12cmのディスクという形式がいつまで続くのかも分からない。僕の卒論のプログラムが入った8インチのフロッピーなんか数年でドライブが世の中から消えたし、子どもが小さい頃に取った8ミリビデオだってデッキが壊れてもう見ることができない。電気信号の記録というのは儚いものである。やっぱり写真は紙にプリントしておいた方がいいかもしれない。

「Rage Against The Machine」 レイジ アゲンスト ザ マシーン2007年11月06日

映画「マトリックス」のことをいろいろ調べていたら、このアルバムに行き当たった。「マトリックス」のエンディングに流れる「WAKE UP」という曲が入っている。あのイントロは格好良かった。今聴いても映画のエンディングの映像が浮かぶ。

「マトリックス」を撮ったウォシャウスキー兄弟は、この曲を繰り返し聴きながら脚本を書いた、とウィキペディアに書いてある。バンド名も「機械に対する怒り」で「マトリックス」のストーリーと合っているし、歌詞のメッセージ性も「マトリックス」と共通している。と思いつつ「machine」という単語を辞書で引いてみると、「支配的集団」という意味もあるのか、なるほど。

僕はこういうハードな音楽はあまり聴かないのだが、知っている範囲でいうとレッチリに似ている。いわゆるミクスチャーロックですね。レッチリは楽しんでる感じがするが、レイジは名前のとおり怒っている。iTunesのジャンルはMetalになっている。僕が思っていたメタルのイメージとはだいぶ違う。それはともかく、曲はどれも良くできていて意外と面白く聴けた。

英語の表記2007年11月08日

映画「マトリックス」を作ったWachowski兄弟の日本語表記は「ウォシャウスキー」が定着しているが、本当はどう発音するのだろうか。村上春樹さんがたしか「ワーショフスキー」と書いていて、アメリカ暮らしの長い村上春樹が言うのだからアチラでの発音はそういう感じなのかなとも思った。両親はポーランド系だということなので、ポーランド語でそういう具合に発音するのかもしれない。

実際にアメリカではどう発音されているのだろうか。「ウォシャウスキー」も「ワーショフスキー」も何となく違うような気がする。こういうときはやはりググッてみるしかない。「Wachowski Pronounce」で検索してみると、ちゃんと発音がわかるサイトが見付かった。プレイボタンを押して聴いてみると「ウォチャウスキー」かな。発音表記は「wuh-CHOW-skee」。大文字のところを強く発音するわけですね。

さらにいうなら、映画のセリフを聴くと「マトリックス」は「メイトリクス」の方が近いし、主人公の名前「ネオ」は「ニーオ」と聴こえる。「マトリックス」や「ネオ」は英語をあくまでもローマ字的に読んでいるわけである。外国語をカタカナで正確に表記するのはムリだが、できるだけ原語に近いカタカナを当てた方がいいんじゃないかと僕は思う。だからといって今さら映画「メイトリクス」と書いても通じないから、定着している表記には従うことにしている。Wachowskiもウォシャウスキーと書くしかない。

御幣 (芋焼酎)2007年11月10日

無濾過の芋焼酎というのを飲んでみたくて買った。無濾過というのは蒸留後の濾過をしないことで、サツマイモの風味の素になる成分がより多く残るわけである。普通はそれを雑味として取り除いてしまうのだが、それは何となくもったいないような気がする。

飲んでみると、なるほどどっしりと落ち着いた感じで、スッキリさっぱりとはしていない。そのかわり、スッキリと香りのよいタイプにありがちな口当たりのキツさもなく柔らかい。落ち着き系にありがちな臭味もない。無濾過という先入観のせいか、他の焼酎より複雑で充実した味のような気がする。これは旨い、気に入った。

「LOVE PiECE」 大塚愛2007年11月22日

ミュージシャンには、純粋な歌手から作詞作曲、演奏、編曲・プロデュースも自分でする人までいろいろな段階がある。大塚愛は一見ちゃちなアイドル歌手みたいな雰囲気もあるが、実はほとんど全部の仕事を自分でやっている。音楽を生み出す作業のうちどれくらいを自分でやっているかをクリエイター度と呼ぶことにすると、大塚愛はクリエイター度が高いのである。

クリエイター度が高いからクリエイティブかというとそうでもないが、ビートルズから40年経ってもあまり進化しないポップミュージックだからしょうがない。我々に食べ物が必要なのと同じようにこういう音楽も必要で、日々の献立がクリエイティブである必要がないのと同じで、ポップミュージックもいちいちクリエイティブである必要はない。曲はどれもポップで楽しい、よくできている。

サッポロ・クラシック2007年11月23日

北海道限定という触れ込みでサッポロが出している麦芽100%ビール。スーパーで見かけてなんか旨そうな気がしたので買ってみた。はっきりいってヱビスよりうまい! ヱビスどころか、国内外を問わず僕が飲んだことのあるビールの中では理想に一番近い。プレミアムモルツみたいな派手な味付けではないが、逆にいえばクセが無くてすごく素直でさっぱりしている。モルトのコクもホップの苦さも香りも控えめだがバランスが取れている。

今後このビールを定番にしたいところだが、北海道限定だから手に入るかどうかわからない。...と思ったら、別のスーパーにもあった。しかし北海道は大阪から1000キロも離れているので、フードマイレージが大きいのはいかがなものか。

「ぼちぼち結論」(中公新書) 養老孟司2007年11月29日

中央公論連載の時評の完結篇。ホリエモンにエールを送り、中国・韓国・北朝鮮には(虫取りに)行きたくないと言い、「不都合な真実」でゴアが言っていないことについて指摘する。

最近の養老先生はだいたいいつもそうだが、この本は特に議論が暴走しがちというかほとんど自爆気味で、そこがめちゃくちゃ面白い。完全に言いたい放題で痛快だが、読んでいて大丈夫かいなと思うくらいである。しかし言っていることは本当に鋭い。

最後に書き下ろしの結論の章がある。養老先生の結論は「現代文明=アメリカ文明は石油文明で、石油が無くなったら終わる、そうなったら自分の感覚と手足に頼るしかないから、それに備えよ」ということのようだ。僕もそう考えているので、なるべく自分の感覚と手足を使うようにしたい。エネルギー消費の少ない生活でも楽しく暮らせるように意識をシフトするのが大事なのだと思う。

「奥田民生・カバーズ」2007年11月30日

これは面白い。いろんなミュージシャンによる民生のカバーが19曲も入っていて充実している。僕の感想は、

☆☆☆(遠回りしてでも聴く価値あり):木村カエラ、斉藤和義、スピッツ、ウルフルズ、PUFFY、HALCALI、井上陽水。

☆☆(まあまあ):B-DASH、GOING UNDER GROUND、サンボマスター、The ピーズ、チャットモンチー、中孝介、ザ・コレクターズ、detroit7、SPARKS GO GO、THEATRE BROOK。

☆(がんばろう):GLAY、DEPAPEPE。

こう整理してみると、奥田民生に人脈的に近い人たちがやはりちゃんと消化できているわけか。

GLAYは僕の好きな「野ばら」をわりと素直にコピーしているなあと思って聴いていたら、この曲の肝であるF#のコードが出てくるところで3度の音を鳴らしていないところが受け入れがたい。ギターソロも気に入らない。

DEPAPEPEはあくまでも自分たちのパターンに嵌め込んでいて、曲に対する愛情が感じられない。

奥田民生のソロの曲はシンプルだから、どの曲もカバーする人の個性がよく出ていると思う。