崖の上のポニョ ― 2008年11月04日
先々週観た。公開14週目の平日というだけあって80席のスクリーンに20人くらいしか入っていない。最近できたシネコンに初めて行ったのだが、座席の段差が大きくて前の人の頭が気にならず画面が見やすかった。
話を過激に単純化すると、「トトロ」の舞台を海辺に移して登場人物の男女を入れ替えたようなもの。春に読んだ「虫目とアニ目」に宮崎駿が提案する町のイラストがあった。町の中心には保育園があって隣に高齢者施設も作る。「ポニョ」の主人公の少年が通う保育所も高齢者施設と同じ敷地にあって、少年は老人たちと顔なじみであることが強調される。今「虫目とアニ目」を見てみると、この高齢者施設はホスピスだったのか。イラストの日付は'02年である。5年後に映画にしたわけだ。
宮崎駿の作品はそれぞれ主人公の年代に向けて作られているような気がする。主人公の年齢が高いほど話が複雑になる傾向がある。「ポニョ」の主人公は5歳だからこの話はかなり単純である。そう思っていたのであまり期待せずに観たが、意外に面白かった。幼児向けだけあって頭より感覚に訴える映画だ。
例によって謎や疑問がいろいろある。少年はナゼ両親を名前で呼ぶのか。ポニョは海から来たのに水道水で大丈夫なのか。お母さんはなんでそんなに車の運転が荒いのか。ポニョのお父さんの計画は何を象徴しているのか。ところでそのお父さんの声をやった所ジョージは声優としてかなり優秀だと思う。
爪水虫 ― 2008年11月07日
仕事の関係で不動産屋の兄ちゃんと雑談しているときに、彼の右手の2本の指の爪が粉々に崩れているのに気付いた。これはどういう病気なのかなと考えているうちに、自分の左手小指の爪のことを思い出した。数ヶ月前から爪の先端の白い部分(爪切りで切るところ)が不規則な形で爪の根元側に広がってきて、なんとなく爪が剥がれつつあるような感じがしていたのだ。
白い部分を爪切りで切っていくと極端な深爪状態になり、右手小指に比べて1.5ミリくらい短くなってしまった。また爪が伸びたら治るだろうと思っていたが治らない。不動産屋の兄ちゃんの爪を見て、僕の爪も症状が進むとこうなるんじゃないかと思うに至った。
いろいろググッてみると、やはり二人とも爪水虫という問題のようである。水虫といっても別に痒くはない。爪切りで他の指にうつるらしいので専用の爪切りを使うようにする。皮膚科に行って薬を半年くらい飲まなくてはならないと言っているサイトが多いが、どうも皮膚科業界の宣伝文句のような気がする。その薬は肝臓に悪くて副作用がきついらしいから飲みたくない。
それと5000円もする水虫薬を宣伝するサイトも多い。さらに調べると、市販の水虫薬で治ると書いている人がいた。爪水虫の菌は爪の下にいるので塗り薬が効かず飲み薬が必要ということになっているが、爪をヤスリで削って薬を付ければ良いのだという。僕の場合は爪の先の方だけなので、爪と肉の間から薬を入れれば効くのではなかろうか。
薬屋で一般的な水虫薬を買った。1800円。毎日付けていたら2週間くらいで効いたような気がしてきて1ヶ月経ったら爪はきれいになり、右手の小指と同じ長さに戻った。念のためもうしばらく薬を付けておこう。
ブラウザ ― 2008年11月20日
僕が仕事をしている会社のホームページを作り直すことになり、引き受けた。自宅のPCで使っているInternet Explorerで確認しながら作っていたのだが、他のブラウザでも見え方を確認しておかないといけないので、いろいろなブラウザをダウンロードして使ってみた。
Google Chrome: 表示が速いし、使いやすい。起動したときに、前回開いていたページを開くなど、いろいろ便利。あっさりしたデザインも良い。気に入った。
Firefox: 超速い。昔懐かしいネットスケープの子孫ですね。他のブラウザよりHTMLの解釈が厳密で、いいかげんなことを書いていると正しく表示されない。従って、ホームページを作る人はFirefoxで確認しておくのが吉でしょう。
Safari: iTunesと同じデザインは良いのだけど、フォントの選択が他のブラウザと違う。ゴシックのはずが明朝になったり、妙に何でもボールドになったりする。
Opera: マウスジェスチャーとかキーボードショートカットなど使い易そうなのだが、残念ながらなぜかうまく読めないページがあったりする。前のバージョンでもトラブルの経験があり、ちょっと信頼感に欠ける。
あれこれ見てみると、やはりブラウザによってレイアウトが少し変わったりする。それでシコシコとスタイルシートを修正し、何とかできあがったファイルを会社のPCで見てみるとまたヘンな具合に文字がずれたりしている。家で使っているのはIE6だが会社で使っているのはIE7だった。しかたがないので家でもIE7をダウンロードした。
様々なブラウザを使ってみてわかったのは、タブブラウザは便利だということと、IEの表示が特に遅いということ。それからなぜかIEだけが「ブックマーク」のことを「お気に入り」などというヘンな名前で呼んでいる。僕は個人的にグーグルクロームが気に入ったので、完全に乗り換えることにした。
「nemurugirl」 コトリンゴ ― 2008年11月23日
1 runnaway girl :
ビートルズのShe's leaving homeに似ている。
ピアノ弾き語りのワルツ。
2 chocolate:
スピード感があるフュージョン調、ドラマチックな展開。
7拍子でとてもカッコイイ。
3 snowman:
ヒップホップ風打ち込みサウンド。
おもちゃのようなサンプリング音のリズムが気持ち良い。
1曲目の歌詞と話が呼応しているのが面白い。
4 itsumo:
静かなピアノ弾き語り。この人のバラード曲はメロディも美しいし、
リズムも腰が座っていて非常に良い。
5 jump jump:
エレクトロ・ポップ。盛り上がったりゆったりしたり、
緩急自在の不思議なアレンジが愉しい。
6 ふわふわsong:
ミスタードーナツのCMの曲。
「フワフワ、フワフワ」言っているだけだが、よく聴くとジャズで渋い。
コトリンゴの音楽はメロディ、リズム、アレンジ、音色、言葉の使い方など、全てが耳に気持ち良い。ピアノもめちゃ上手い。聴いていると美味しいものを食べているときのように嬉しくなる。
→ コトリンゴに関する記事
奥田民生「FANTASTIC TOUR “AGAIN” 08」 岸和田市立浪切ホール ― 2008年11月28日
奥田民生のライブはビデオ、DVDで大体観ているのだが、一度本物を観ておこうと思い、家族みんなで行った。コンサートなんていうものは15年ぶりくらいである。昔は年に1回くらいは行ったが、子どもが生まれてからは行っていない。
感想を一言でいうと、音がとんでもなくでかい。鈴鹿サーキットのパドックで聞いたレーシングカーのエンジン音ぐらいうるさかった。特にベースとバスドラムは音というより重たい衝撃で、耳じゃなくて心臓に響く。高音は割れてしまっているが、それがスピーカーの限界なのか耳のダイナミックレンジを越えているのかもわからない。
昔ドラムを叩いていたときのことを思い出して、耳にティッシュペーパーを詰めた。ドラムというのは叩いている本人が一番うるさいので、いつもティッシュで耳に栓をしていたのだった。娘にもティッシュの耳栓を渡したが、耳が気持ち悪いといってすぐにはずしてしまった。
民生のヴォーカルの音程がはずれているところがあったような気もするが、何しろ音が大き過ぎて音程なんていうものはよくわからない。なんか滝に打たれているように全身に爆音を浴びる。ロックのコンサートってこういうものなのか。よく考えたら僕が行ったことのあるのはタツローとかビリー・ジョエルとかカシオペアとか、ポップスやフュージョンばかりで、ロックは初体験だったのだった。
イントロや間奏の部分でサイケデリックな変な音を延々と聞かせる曲が何曲かあったが、そのへんは観客があまりついて行けてなかったような気がする。最近の民生は曲がポップになった反面、ポップじゃないものも伝えたがっているようで、何か無言のメッセージを感じた。
曲の合間のしゃべりは例によって言葉少なくだらだらしているが面白い。「世の中は金融危機ですが、知り合いで金融危機の影響を受けている人はいないね」と民生が言うと、ベースの小原礼が「変なことをやった人はいるけど」というようなことを言い、民生が「シー!」と指を口に当てた。もちろん小室容疑者の話だろう。
小室哲哉は飛行機に乗る時にファーストクラスを借り切ったらしいが、「お金なんかはちょっとでいいのだ」という歌詞を書く民生はスタッフと4人で機材を積んだワンボックスカーに乗って全国のライブハウスを回ったりする。今回のツアーもこんな市民会館をコツコツ回っている。日常から遊離していないところが民生の良さである。この日のMCでもぼそっと「普通に生きて、普通に死んで行く」と独り言のようにつぶやいていた。
バリライトの照明は綺麗でなかなか良かった。民生のコンサートでこれだけ派手な演出は無かったんではなかろうか。印象に残った曲は「なんでもっと」。ミディアムテンポのリズムとライティングがマッチして感動的だった。1回目のアンコールが終わったところで、2回目を求める拍手が少しだけ起きたが大半の客は席を立ってしまった。我々も疲れて「もうええわ」状態だったので帰った。
浪切ホールはキャパ1500人だからステージが近くに見えて良い。でも伝統芸能向けのホールなので、コンサート用のシートは桟敷部分に仮設されていて、通路を人が通るとぐらぐら揺れて不快だ。それにしても観客が1曲目から立つのはどうよ。僕は立てたシートに半分腰掛けた状態で聴いていたが疲れた。子どもらは僕より楽しんだようだった。
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