エイゴのベンキョウ2009年02月05日

会社を辞めたときにタダで通信教育を受けられる特典があったので英会話のコースを受けた。CDを聴いてテキストの問題を鉛筆で埋めていくという形式。まあまあ面白かったし3ヶ月くらい一所懸命やったのだが、あまり英会話能力が向上したとは思えなかった。受講の前後に受けるオンラインのテストでも点数はやや下がったのだった。タダだから良いが、はっきりいって正規料金の24000円の値打ちは無い。

同じ時に中国語のコースも受けたのだが、こちらは結構良かった。パソコンにソフトを入れてキーボードで答えを入力するというやり方で、紙と鉛筆は使わない。ピンイン入力も覚えたし、リスニングも向上した。でも25000円は高い。

英語でも同じようなものがあればやりたいと思っていたところ、ネット上にiKnow!というサイトが登場した。やってみるとこれは非常に良い。1ヶ月ほどディクテーションをやったらニュースや音楽の英語が前よりかなり良くわかる。タイピングも早くなった。

しかし、何でこのサイトはタダなのか。一応説明があるが、何だかよく判らない。ググッてみると、アメリカのセレゴ社はベンチャーキャピタルで、iKnow!が有名になったところでビジネスごと売るのではないかという説がある。そうなったら有料化されるかもしれない。

「TOUCH」 土岐麻子2009年02月13日

だいぶ前、毎月タワーレコードに行って試聴機を聴きまくっていた頃に、シンバルズというバンドが気に入ってデビューアルバムを買った。そのシンバルズのボーカルだったのが土岐麻子。お父さんは山下達郎のバックでソプラノサックスを吹いていた土岐英史。

シンバルズは面白いバンドだったがわりとすぐに解散して、土岐麻子はジャズやポップを歌うソロ歌手になった。シンバルズのポップなパンクサウンドに乗っているときの方が彼女の軽い声が活きていたので惜しい。

最近、日産のCMでビル・エバンズのワルツ・フォー・デビーに歌詞をつけて歌っていたのはなかなか良かった。本人出演のユニクロのCMの曲「How Beautiful」もかなり良い。その2曲が入っているので全体的にそういうサウンドになっているかと期待して、この「TOUCH」というアルバムを買ってみたが、他の曲は相変わらずだ。本人のボーカルは良いのに、曲やアレンジに恵まれていない。なんか’80年代みたいなサウンドが多い。電子ドラムの音までする。

それと、この人のアルバムはなぜか曲が少ない。今回は10曲あるが、「smilin'」は去年のアルバム「Summerin'」に入っていたのと全く同じ音源だし、「ブルーバード」は多少アレンジ違いながらソロ1作目「Debut」に入っていた曲だ。もっと濃密なアルバムが聴きたい。

「サブリミナル・インパクト」 下條信輔 (ちくま新書)2009年02月18日

潜在認識について認知神経科学的に考えている。面白い。

我々はなじみ深さ(親近性)を好む傾向と目新しさ(新規性)を好む傾向の両方がある。それらは矛盾するようだが、親近性は潜在レベル、新規性は意識レベルの好みに現れるのである。なるほど!

我々はコマーシャルや政治的な情報操作により潜在認識に働きかけられコントロールされている。マクドナルドの椅子が硬いのは、座り心地の悪さによって身体に働きかけて客の回転を早くするためである。それに対抗するには座布団を持っていけばよい。現代社会に溢れるメディアや広告の様々な働きかけに対して座布団的な対処が必要なのだ。

独創性を発揮するには全体の状況をよく分析し、しっかり把握してから忘れることが大事だ、とか。だいたい僕の考えと同じだなあと思うが、よく考えたらこの人の前著「サブリミナル・マインド」は小脳論の参考文献に挙げていた。

この本の主張によく似た話は昔、栗本慎一郎がしていた。要するにマイケル・ポランニーの暗黙知を認知神経科学で裏付けていくという話なわけである。