「biophilia」 ビョーク2011年12月09日

ビョークのファンというわけでもないのだが、なんか期待してCDを買ってしまう。最近、聴きたいと思うような音楽が尽きつつあるので、貴重な存在だ。

ビョークの音楽はアレンジが前衛的でちょっと分かりにくいのだが、いろいろなアルバムを聴いているうちに、ただ声を聴けば良いだけだという気がしてきた。このアルバムを聴くと、それが正解だったと思えてくる。何しろボーカルがほとんどで楽器の音はちょっとしか入っていない。

いつものように、ケルト的というのかマイナー調の不協和音っぽいコーラスが美しい。それと対照的に激しい打ち込みのリズムやシンセ・ベース音がたまに出てきたりするのも相変わらずで、どうしてもアレンジの意味を考えてしまう。このリズムトラックを民族楽器のパーカッションなんかに換えると、ビョークの音楽から受ける印象は大きく変わりそうだ。つまり、今のやり方に必然性があるのは間違いない。それがどういうことなのかはよく分からないが。

ビョークの音楽のわけの分からなさと面白さは、岡本太郎に通じるものがあるような気がする。

「Get Together」 矢野顕子×上原ひろみ2011年12月18日

矢野顕子と上原ひろみ二人だけのライブ。ピアノ2台で演奏をすると音がグシャグシャして、一人ずつ弾いた方が良かったんじゃないのという感じになりがちだが、この超個性的な二人の演奏は意外にもうまく噛みあっていて、しかも迫力がある。なかなか良い。

ご両人とも、いつもは自分の世界にどんどん入っていって、聴いている方が着いて行くのに苦労するような人たちである。でも、このライブではお互いのバランスにも気を使っているおかげで、いつもより演奏の輪郭が整って聴き手が受け取り易くなっていると思う。

先週、うちの奥さんがこのライブの大阪公演に行って、上原ひろみが中腰で弾くピアノの迫力が凄かったと言っていた。途中に休憩があって、ピアノの調律をしていたそうだ。いつもの矢野顕子のライブより年配のお客が多かったらしい。上原ひろみは高齢のジャズファンに人気があるのかもしれない。