日記 ― 1998年10月17日
朝、息子を小児歯科へ連れていく。彼は前歯の虫歯を治療中なのである。待合室には息子と同じくらいの子供たちとその親が何組かいる。ここへ来る子供たちのうち大体7割から8割くらいが嫌がっている。歯医者の前の道で帰りたがっている子、待合室で泣き叫んでいる子、衛生士のお姉さんに呼ばれて治療室に入るのに抵抗する子。でも、息子は一度も嫌がったことがない。医者で注射されるのも嫌がらない。いつも感心される。親としてはちょっと誇らしい気持ちにもなる。でも、歯医者の椅子に寝かされて口の中をいじくりまわされるのは本能的に拒否したいようなことかも知れない。息子はそういう本能的な感覚を早くから押さえ込んでしまっているのかも知れない。そう考えると、歯医者でいい子にしているのが本当に良いことかどうかちょっと判らなくなる。
帰ってから近所の酒屋にビールを買いに行く。どれにしようかな、と熟考していると店主に後ろから声を掛けられ、入ったばかりだという岐阜の「博石館」という地ビールを勧められる。店主は僕と同年代の30代半ばに見える。小さな店だがビールやワインや地酒の品揃えにセンスと努力がはっきりと現れている。サッポロの新しい発泡酒ブロイも買うことにする。あと、レ・グリライエというイタリアワインを買う。これは他ではあまり見かけないのだが、僕のお気に入りである。勘定を払う時、店主が「これ、ちょっと愛想ないんですけど、色々試した中で一番細かい泡が立つんで、地ビールを飲むのに使って下さい。本当はやっぱり素焼きのコップがいいんですけどね。」と言いつつプラスチック製の使い捨てコップをくれた。半透明でフニャフニャの、検尿で使うコップを大きくしたようなヤツである。さっそく昼飯の時にそれを使って飲んだら確かに良い泡が立って地ビールがうまかった。すごく良い香りのするビールだった。
夕方、一年振りにゴルフの打ちっ放しに行こうと思って、階段の下の収納庫の奥にしまいこんであったゴルフバッグを出そうとしていると、はずみでバッグの底の部分が足の親指の先に当たった。それがめちゃめちゃ痛くて、とりあえず抱えたままのバッグを床に降ろす間がとても長く感じられ、まさか爪がめくれているというようなことはないよなーと思いながら靴下を脱いでみると、...めくれかけていた。流血の惨事である。庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」を思い出した。とりあえず水で洗って絆創膏を貼ったが、だんだん痺れるように痛くなってきた。しかし、ゴルフスイングの真似をしてみるとなんとか打てそうな気もするので、練習を強行することにした。車で5分ほどの所にある練習場に行ってみると駐車場の入口が閉まっている。なんでや?と思ってよく見ると看板が立っており「台風のため営業を中止いたします」と書いてあった。爪折り損である。
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