「a night at Birdland vol.1」 アート・ブレイキー ― 2012年02月10日
ジャズの世界では超有名なライブを聴いてみる。冒頭の司会者のアナウンスは聞き覚えがある。How about a big hand there! とにかく演奏がホットで曲も良い。これは本当に良いライブだ。
以前、マイルズ・デイヴィスやビル・エヴァンズなんかのクールで繊細なジャズを熱心に聴いていたことがあるが、最近こういうシンプルで判りやすいスタイルの方が良いと思うようになった。聴いていて寛げる。
1954年という遠い昔のことだからマイク1本で録っているのだが、臨場感があって素晴らしい。
「Moanin'」 Art Blakey And The Jazz Messengers ― 2012年02月03日
デアゴスティーニのブルーノート・ジャズCDコレクションのCMで「Moanin'」が流れているのを聞いて、このあたりのジャズを聴いみようと思って買った。1958年発表だから僕が生まれる前、半世紀以上の昔の音楽だ。
ジャズの良いところは生楽器の音を楽しめるところだと思う。楽器の音が良いのは演奏が上手いからである。リズム感も素晴らしい。そういうところはミュージシャンの身体に支えられているわけである。半世紀経ってポピュラー・ミュージックは進化したのかというと、全然そんなことはない。
こういう古い上等な音楽を聴いていると、音楽が時代と共に進化するものではないのだなあと思えてくる。その時代ごとに時代に合った音楽があるだけなのだろう。今は電気やコンピュータに頼る時代だから、電気やコンピュータに頼った身体性の希薄な音楽が聞こえてくるわけだ。そういうメッセージをジャズ・メッセンジャーから受け取りました。
「Get Together」 矢野顕子×上原ひろみ ― 2011年12月18日
矢野顕子と上原ひろみ二人だけのライブ。ピアノ2台で演奏をすると音がグシャグシャして、一人ずつ弾いた方が良かったんじゃないのという感じになりがちだが、この超個性的な二人の演奏は意外にもうまく噛みあっていて、しかも迫力がある。なかなか良い。
ご両人とも、いつもは自分の世界にどんどん入っていって、聴いている方が着いて行くのに苦労するような人たちである。でも、このライブではお互いのバランスにも気を使っているおかげで、いつもより演奏の輪郭が整って聴き手が受け取り易くなっていると思う。
先週、うちの奥さんがこのライブの大阪公演に行って、上原ひろみが中腰で弾くピアノの迫力が凄かったと言っていた。途中に休憩があって、ピアノの調律をしていたそうだ。いつもの矢野顕子のライブより年配のお客が多かったらしい。上原ひろみは高齢のジャズファンに人気があるのかもしれない。
「biophilia」 ビョーク ― 2011年12月09日
ビョークのファンというわけでもないのだが、なんか期待してCDを買ってしまう。最近、聴きたいと思うような音楽が尽きつつあるので、貴重な存在だ。
ビョークの音楽はアレンジが前衛的でちょっと分かりにくいのだが、いろいろなアルバムを聴いているうちに、ただ声を聴けば良いだけだという気がしてきた。このアルバムを聴くと、それが正解だったと思えてくる。何しろボーカルがほとんどで楽器の音はちょっとしか入っていない。
いつものように、ケルト的というのかマイナー調の不協和音っぽいコーラスが美しい。それと対照的に激しい打ち込みのリズムやシンセ・ベース音がたまに出てきたりするのも相変わらずで、どうしてもアレンジの意味を考えてしまう。このリズムトラックを民族楽器のパーカッションなんかに換えると、ビョークの音楽から受ける印象は大きく変わりそうだ。つまり、今のやり方に必然性があるのは間違いない。それがどういうことなのかはよく分からないが。
ビョークの音楽のわけの分からなさと面白さは、岡本太郎に通じるものがあるような気がする。
ビョークの音楽はアレンジが前衛的でちょっと分かりにくいのだが、いろいろなアルバムを聴いているうちに、ただ声を聴けば良いだけだという気がしてきた。このアルバムを聴くと、それが正解だったと思えてくる。何しろボーカルがほとんどで楽器の音はちょっとしか入っていない。
いつものように、ケルト的というのかマイナー調の不協和音っぽいコーラスが美しい。それと対照的に激しい打ち込みのリズムやシンセ・ベース音がたまに出てきたりするのも相変わらずで、どうしてもアレンジの意味を考えてしまう。このリズムトラックを民族楽器のパーカッションなんかに換えると、ビョークの音楽から受ける印象は大きく変わりそうだ。つまり、今のやり方に必然性があるのは間違いない。それがどういうことなのかはよく分からないが。
ビョークの音楽のわけの分からなさと面白さは、岡本太郎に通じるものがあるような気がする。
ウッドコーンスピーカー自作キット ― 2011年11月26日
毎年レンズ設計製造展に行くと、なぜかビクターのウッドコーンスピーカーの展示即売をやっていて、良い音だなあと思って聴いていた。そのウッドコーンスピーカーの自作キットというのが発売された。SX-WD1KTという機種が通販で2万円くらいで、ずっと買おうかどうしようか迷っていたのだが、最近アマゾンで1万7千円に下がったので買うことにした。
組立といっても、キャビネットにダクトを差し込んで、内側に吸音材のフェルトを貼って、ケーブルを接続して、ネジを締めるだけである。外観は下塗りしてあるだけなので、自分で塗装することもできる。下塗りがザラザラしているので、サンドペーパーをかけてオイルフィニッシュの塗料を擦り込んだら、良い感じになった。
気に入らないのは、片方のキャビネットの天板の色がヘンなことである。全然色の違う板を継いである。外観不良でクレームを付けようかとも思ったが、中国製で安いのだからしょうがないと思って諦めることにした。自然の木の色が一定でないのは当たり前だが、ヘンな色の板は天板じゃなくて底に使えば良いのに。
さっそく自作のアンプに繋いでみる。とてもクリアで良い音がする。いわゆる空気感が再現されているように聴こえる。生楽器のジャズを聴くと値打ちが分かる。ただ、低音は弱い。近くで小さい音で聴くと高音に負けてしまう。ボリュームを上げて離れて聴くとバランスが良くなる。
僕が買って2週間ほど経つと1万4千円に下がり、今現在は2万円に戻っているようだ。損したのか得したのかよく分からないが、買って満足したから良しとしよう。
「村上春樹の短編を英語で読む 1979~2011」 加藤典洋 ― 2011年10月29日
僕は村上春樹の小説は全て熱心に読むのだが、短編はちょっと苦手だ。長編も短編もシュールで何を言っているのか分かりにくいが、長編は手がかりが多いから何度か読んでいるうちに何となく分かってくる。短編はヒントが少ないので、解答の無い問題集を解いているような気分になるのだ。
村上春樹の小説は謎が多いので、解読本もたくさん出ている。春樹さんは「そんなものを買うくらいなら、そのお金でおいしいものでも食べた方が良いです」とか言っていたが、僕も答えが知りたくて謎解き本を買ってしまう。そういう村上春樹関連本にはハズレも多いのだが、この本はかなり面白くて説得力がある。長編への言及も多く、村上作品全体への理解が一挙に深まったような気がする。600ページもある分厚い本で3600円もするので買うのをためらったが、充分値打ちがあった。
ただ、そんなネタバレというかカンニングペーパーみたいな本を読むことに意味があるのだろうかという疑問も残る。でも、この本を読んで面白がるのは、村上作品を愛読して自分なりに考えて悩んだ人だけだろう。自分で考えもせずに答えだけ解答欄に書きこむカンニングとは違う。自分で考えた答案の答え合わせみたいなものだ。
タイトルに「英語で読む」とあるが、英語はほとんど出てこない。
「ZII」 ユニコーン ― 2011年10月07日
「Z」の続編、6曲入りミニアルバム。ユニコーンのコミックバンド的性格を全開している。
「手島いさむ大百科」はギタリスト「てっしー」の自伝的語りをうまく曲にしてしまっている。これは可笑しい。
「レディオ体操」はメロディーがほとんどない奥田民生得意のワンノート・ロック、あるいはお経ソング。ビデオの人形劇がかわいいが、これはグッチ裕三のハッチポッチステーションの真似かな。
いちばん訳わからんのが「ぶたぶた」だったのだが、ググッてみると、イントロはボブ・マーリーの「Redemption Song」だという情報を得た。そういわれてみればそうだ。その後、豚は豚だから豚語が分かるという歌詞で、ビートルズの「Piggies」を思い出した。そう思って聴けば、曲も明らかに似ている。「Piggies」は金持ち連中を皮肉った歌である。「ぶたぶた」のビデオにも金持ちのイヤミが出てくる。これは「ウォール街占拠運動」にも通じる金持ち批判のプロテストソングなわけだ。でも「こちょこちょこちょこちょ」って何やねん。
「メダカの格好」は完全にデモを煽ってる。
「晴天ナリ」はヘイ・ジュードを思わせる雄大な感じの名曲。
かなり面白いCDだけど、熱心なファンしか買わないだろうな。
「インセプション」 DVD ― 2011年10月03日
僕が唯一DVDを繰り返し見ている映画が「マトリックス」で、その「マトリックス」に似た話らしいので気になっていたところ、アマゾンで990円になっていたので買った。「マトリックス」はコンピュータの中に作られた仮想世界に入り込む話だったが、この映画では夢の中に入る。
椅子にもたれて機械に繋がれて昼寝をしている様子で仮想世界に入り込むというアイデアは「マトリックス」のまんまで芸が無い。仮想世界でドンパチやって元の世界に戻れるかハラハラするというのも同じ。さらにダメなのは、仮想世界の物理法則が現実と同じという点。夢の世界なんだから「マトリックス」のように空を飛べたり鉄砲玉をよけたりできる方が自然だ。
「マトリックス」はストーリーも映像も世界観もオリジナルで壮大だったが、こちらはただの精神分析である。はっきりいって、「マトリックス」より随分スケールの小さい話だし、アイデアも質量ともにかなり劣る。
「うみべのまち」 佐々木マキ ― 2011年09月28日
村上春樹の初期の作品のカバー絵を描いている佐々木マキのマンガ集。帯に村上春樹の推薦文みたいなものが書いてある。春樹作品同様、無国籍な感じの絵の雰囲気が面白い。ひとコマひとコマが、伸ばしたらポスターにできそうなくらいデザインされている。でもコマとコマの間の関連がよくわからない。ストーリーがほとんど無さそうで、めちゃくちゃシュールである。
僕は「ちょっとシュールなくらいがお気楽なのである」と考えているので、シュールな表現に対してはわりと好意的なつもりなのだが、この分厚いマンガ集を読んでいくうちにだんだん困った気持ちになってきた。シュール過ぎて、何が言いたいのかが10パーセントくらいしか分からない。手塚治虫は「作者は狂人だ、連載を止めよ」と言ったらしい。それは非寛容過ぎるが、もうちょっとヒントが欲しいところだ。
「I'M WITH YOU」 Red Hot Chili Peppers ― 2011年09月17日
レッチリ5年ぶりのアルバムだが、今までで一番ポップだと思う。聴きやすくて一般受けしそうだ。どんなジャンルでも、ポップさと前衛が両立しているものは名作。
僕が90年代以降ずっとフォローしている海外のバンドはレッチリだけだ。ファンクとロックが融合しているところが良い。激しい音楽のようで、演奏はリラックスしているところも良い。音が薄いのに迫力があるところも良い。めちゃ上手い証拠である。声も楽器の音も良い。
雑誌のインタビューによると、ギタリストが変わったという。ギターを熱心に聴いてないので気付かなかった。ギタリストは7人目らしいが、みんなストラトを弾くのだな。ストラトのペロンペロンした音もレッチリらしさだ。
ところで、レッチリって僕よりだいぶ若いと思い込んでいたのだが、ボーカルのアンソニーとベースのフリーは僕と同じ’62年生まれだったのか!
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