「心を整える」 長谷部誠 ― 2011年05月23日
サッカーは日本代表の試合しか見ないので、長谷部選手のことを詳しくは知らないが、マジメそうな印象がある。本を読んでみても、そのとおりだった。ハセベは「突出したテクニックを持っているわけでもない自分が生き残って来られたのはナゼか」と時々考える。周りからはよく「運が良いね」と言われる。でも、それはちょっと違う。では何なのかと考えてみると、「心を整える」ということに尽きるのだという。
それでメンタルについての「自己啓発書」という売り文句が付いているわけだが、編集者がそういう体裁に仕立てているだけで、中身は自伝的エッセイである。心が落ち着いた状態でいられるように、いつもいろいろなことに気を配っていることがわかる。一日の終りに30分間、心を鎮める時間を作る。何が起きても心が乱れないように、常に最悪の状況を想定している。日本政府のエラい人たちにも見習ってもらいたい。
「あえて難しいと思った方を選択する」というのは岡本太郎と同じだ。長谷部君によると、難しい道ほど自分に多くのものをもたらし、新しい世界が目の前に広がるのである。僕はだいたい楽な方を選択するので、意見が異なるわけだが、器の大きさで負けていることは否めない。なかなかのナイスガイである。面白かった。
「日本中枢の崩壊」 古賀茂明 ― 2011年05月30日
現役官僚が日本中枢の改革を訴える本。安倍政権以降の公務員制度改革を官僚がどうやって潰してきたかの暴露から、民主党の政治主導がうまくいかない理由の話が続く。だいたい報道されてきた話のとおりだが、官僚側からの視点で詳しく解説されていて興味深い。それから改革派経産官僚としての筆者の仕事の振り返りになると「官僚たちの夏」そのもので面白い。
最後に今後の日本の「起死回生の策」というのがあって、なるほどと思うようなことも書いてあるのだが、TPPに参加せよと言っていてガックリ。まあよく考えたら、みんなの党に代表されるように行政改革に熱心なのはほぼ新自由主義的な人だから別に驚くことではなかった。
著者略歴に「参議院予算委員会で仙谷由人官房長官から恫喝を受ける」と書いてあるのがおかしい。
最後に今後の日本の「起死回生の策」というのがあって、なるほどと思うようなことも書いてあるのだが、TPPに参加せよと言っていてガックリ。まあよく考えたら、みんなの党に代表されるように行政改革に熱心なのはほぼ新自由主義的な人だから別に驚くことではなかった。
著者略歴に「参議院予算委員会で仙谷由人官房長官から恫喝を受ける」と書いてあるのがおかしい。
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