日記 ― 1998年11月08日
朝7時起床。というか、娘10ヶ月の泣き声で起きる。娘にミルクを飲ませる。昨夜は2時までホームページの文章を書いていたのでまだ眠い(僕は8時間睡眠のヒトなのだ)。息子がテレビで「星獣戦隊ギンガマン」を見ている。もうひと寝入りしたいが、奥さんがパンを買いに行くので僕が娘を見ていなくてはならない。近所のパン屋で買ってきた焼きたてのアンパンを食べる。わりとうまいが、生地が薄くてアンコが多すぎる。そのパン屋は十数年前にご主人が脱サラして始めたのだという。「脱サラ」という言葉は久しぶりに聞くけど、店をやるというのも大変だろうな。休んでられへんもんな、...などと思いながらコーヒーを飲む。
奥さんがギンガマンショーを見に行こうと言い、息子はヤッターと両手を挙げて喜ぶ。臨海工業地帯の発電所の催しにギンガマンが来るというチラシが新聞に挟まっていたのだ。ギンガマンというのは要するに、ゴレンジャーから延々と続く例の集団ヒーローものだ。僕はあまり好きではない。去年のメガレンジャーは結構とぼけた感じもあって面白かったのだが、ギンガマンはマジだ。力み過ぎである。子門真人が(別の芸名で)歌うカントリー風バラードのエンディングテーマは結構好きだけど。
一家で車に乗って出かける。広い広い臨海工業地帯に入って行く。日曜だから車もほとんど走っていない。チラシの地図に従って発電所に着く。しかし、発電所の中のどこへ行けばよいのかわからないので、向こうから自転車でやってくるおじさんに聞いてみることにする。「あのー、お祭りはどこでやってるんですか?」「え? 祭?」「これですよ、これ」と言ってチラシを広げて見せる。この通りちゃんと「発電所祭り! 11月15日開催」と書いてある。ん? 15日は来週だ。ガクッ。「あー、それは来週、あっちの広場でやるんやけどな。」
代わりに、近くの公園に行くことにする。この公園も工業地帯の埋立地にあって陸地との間の水路(つまり海)に面している。水路ではボート競技の試合をやっている。観客はあまりいないようだ。コックスの声が聞こえる。ボートが進むのに合わせて自転車で走って声をかけているコーチらしき人もいる。公園は最初は空いていたのだが、お昼が近付くにつれて家族連れが増えてきてあっちこっちでバーベキューが始まる。
しばらく遊んだので帰ることにする。息子はまだ帰りたくないという。じゃあ、最後にもう一回あれに登って終わりにしようということになる。僕は息子が木製のジャングルジムのようなものを登るのをぼんやりと見ていた。息子は梯子のような鎖を握って登って行く。一番上の台に手が届くが、その上の横棒には届かない。手を台の縁にかけようとしている。でも、そこは掴むことができないだろう。そこに力をかけたら手が滑るぞ、と思った途端、息子が後ろ向けに落ちていった。
息子は大体僕の目の高さくらいから仰向けに背中から落ち、地面で頭を打った。息子は大声で泣き出した。地面は土で、所々に小石がある。息子の頭には小さなコブができている。ちょうどそこに石があたったのだろう。息子をベンチに寝かせ、水で絞ったタオルで頭を冷やす。気持ち悪くないか尋ねると、気持ち悪いことはないと答える。泣きながら、「アシタに、なっても(うっ)、タンコブが(ううう)、なおらなかったら(うっく)、ホイクエン(うう)、やすむ~」と言う。
大事には至らなかったので良かったものの、僕としては大いに反省しなくてはならない。息子がジャングルジムなんかに登る時はいつも「落ちたら手を出せるところ」にいるようにしていたのだが、その時は赤ん坊を抱いていたのと眠かったのとで、そうせずにいた。しかし、危ないなと思ってから彼が落下するまでには数秒はあったのだから、声をかけて注意することができたかも知れない。片手を出すだけでも頭を守れたかも知れない。問題はそれができたのにしなかったということだ。
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