日記1999年05月25日

この前、3年ぶりにバイクのエンジンをかけてみようと、車のバッテリーにつないでセルを回してみたが、始動する気配すらなかった。修理するか売り払うか。今日は運転免許の更新に行くことにしたのだが、バイクが動かないのでバスで行く。結構へんぴな路線を走るバスに最初から最後まで30分ほど乗る。最初と最後には他の乗客もいたが、間の15分くらいは僕一人だった。バスの中でずっと「カラマーゾフの兄弟」を読む。バスの運転手のアクセルやクラッチの操作が滑らかだったので快適だった。

免許の更新とは、視力検査と写真撮影と講習ビデオである。全部視覚の問題だ。現代社会は視覚を中心に回っているのだなあ。視力検査の後、10分程待たされる。待合室のTVで国会中継をやっていて、ヒラヒラのついた白いスーツの小池百合子氏が固苦しい言葉で演説している。写真撮影の時、撮影機の操作係のおじさんに「ご主人、もう少しアゴを引いて下さい」と言われる。「ご主人」ねえ。その後、講習会場で僕のそばに3才くらいの女の子を連れた女性が座った。女の子は退屈そうだった。僕も退屈なので、時々その子の方を向いてニーッと笑って見せたりした。

更新の手続きが終わってバスターミナルに戻る。本屋で佐藤良明「J-POP進化論」(平凡社新書)、斉藤美奈子「あほらし屋の鐘が鳴る」を買う。バス停のまわりには中学生や高校生がたくさんいる。みんな制服を着ている。機能性のない制服というのは視覚的画一化のためにあるのだろうなあ。帰りのバスでもずっと「カラ兄」を読む。

バスを降りて駅前の銀行に行き、車とバイクの税金を納め、家賃等を振り込む。銀行の窓口の女性が制服を着ているのはなぜだろう、と考えながら銀行を出て隣のミスドに入る。注文を聞いてくれた女の子はミスドの制服が似合っていた。ファストフードの店の制服は作業着だから機能性がある。でも、額の上に乗せてあるバイザーは要らないんじゃないか。

ワンタン麺セットを頼み、いつものように入口の近くのカウンタに座る。奥のテーブルは女子高生や奥さま方で込み合ってガヤガヤしている。ミスドの飲茶セットは、まずエビ餃子から食べるのが鉄則だ。エビ餃子は冷めるとおいしくない。シュウマイと肉マンも冷めないように蓋をしておく。コーヒーを飲みながらオールドファッションドとトーフドーナツを食べる。トーフドーナツに対する評価は僕の中ではまだ確定していない。天井のスピーカから古いロックンロールが流れている。一度だけ山下達郎の「ドーナツソング」もかかる。一時間くらいネバって「カラ兄」を読み終えた。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://bun.asablo.jp/blog/1999/05/25/6311048/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。