日記2002年06月14日

ワールドカップ、日本対チュニジア戦の日。近くのホテルにサッカー日本代表チームが泊まっているらしい。職場でも朝からその話題で盛り上がる。ある同僚は、昨日知り合いが電話をかかけてきて「ジャパンがおるんよ、ジャパンが!」と興奮して叫んだという。何のことか分からずよく聞いてみると、たまたまホテルの前を通りがかって日本代表チ-ムを乗せたバスに遭遇したという話だった、とのこと。みんなは「今日、勝てるんやろか」と心配しているが、僕は「2点取って勝つよ」と予言する。

僕の課では若いヤツが二人休んでいる。一人はチケットを持って長居に、もう一人は難波あたりのスポーツ・バーを探して応援に行くと言っていた。昼過ぎに、休んでいる二人が設計した試作部品が届く。ナンバ君が設計した部品は問題無いようだが、ナガイ君が設計した方はどうもうまく組み立てられない。長居スタジアムに電話して呼び出してもらえ、という話になる。「××株式会社の△△様、試作部品に不具合がございましたので、至急職場にお戻り下さい」

僕の職場は裁量労働制なので、大半の同僚が家に帰ってTV中継を見るようである。僕も2時過ぎに会社を出る。外は日差しが強く、歩いているだけでかなり暑い。芝生の上はもう少しマシなのだろうか。でも走り回るのはキツイだろうな。50メートルほど先の信号が変わりそうなのでダッシュする。次の信号でもダッシュする。僕は通勤途中に数百メートル走ることがよくある。すごく中途半端な距離だが、何となく走りたくなってしまうのだ。

途中コンビニに寄って「Number」誌とコカ・コーラ(サッカー選手人形付き)を買う。家に帰ってオマケの袋を開けるとイナモトだった。でも全然似ていない(以前買った時に付いてきたリバウドはよく似てるのに)。キックオフ30分前から肉じゃがを作り始める。肉を解凍し、タマネギとジャガイモとニンジンの皮をむいて刻みながら、肉を炒め、野菜を加えて更に炒める。ここまでは集中して料理の鉄人のように手際よく進む。途中、3時過ぎに息子が学校から帰ってくる。

粉末ダシが見つからない。あったと思って舐めてみると中華ダシだった。スパイスの引き出しをもう一度探すと瓶に入った粉末ダシがあった。ダシを水で溶いて砂糖、醤油、みりん、酒を入れる。鍋の火を弱くし、コーラのボトルを持ってTVの前に座る。キックオフに間に合った。

息子は1ー0で勝つと言いながらあまり試合を見もせずにマンガを読んだりしている。前半が終わって0ー0だが、負ける気がしない。ハーフタイムに肉じゃがの味見をし、お米を研いでおく。後半、森島とナカタのゴールで2ー0。僕の予感は当たった。トルシエと選手のインタビューを見てから、自転車で保育所に娘を迎えに行った。

日記2002年06月18日

ワールドカップ決勝トーナメント日本対トルコ戦の日。今日はあまり気分が高揚しない。職場でも、近くで試合があったチュニジア戦の時ほどの盛り上がりはない。上司に「今日はどうすんの?」と訊かれたので、息子の参観日なので昼から帰ると答え、首からぶら下げるためのヒモが付いた大きな名札を見せる。小学校には名札をつけて行くことになっているのだ。上司はチュニジア戦の日に休んでいた若いヤツにも「今日はどうすんねん」と尋ね、「別に奨めるわけやないけど、滅多に無いことやから休んでもええぞ」と言っている。

昼過ぎに会社を出て小学校に行く。教室の前まで行くと、僕が名札を付けているので誰のお父さんかが判り、たくさんの子どもたちが寄ってくる。ひとりひとりに「こんにちは」と挨拶すると、丁寧にお辞儀をしながら「こんにちは」と返してくれる。廊下に立って教室の中を眺めていると担任の先生が現れ、教室に入るように促される。

30人のクラスで、参観に来ている親は20人くらい。廊下に父親らしき男が二人いるが、教室に入った男は僕一人だった。国語の授業が始まり、反対語を考える問題で「エビフライ」という題を出した子がいた。「エビフライの反対語は何や?」と先生が尋ね、その男の子は「イカフライ」と答えた。カジュアルな雰囲気ではあるが、リズムが良くて面白い授業だった。

授業が終わって廊下に出ると、何人かのお母さんに声を掛けられ、うちの奥さんに渡そうとしていた物をもらったり、奥さんから徴収しようとしていた会費を払ったりする。昨日息子が持って帰ってきたプリントに「明日はトルコ戦があるので、参観の後の懇談会に残っていただけるのかどうか...」と書いてあったが、多くのお母さん方は懇談会のために残っておられるようだ。廊下にいたお父さん二人はもういない。僕もパスさせていただくことにする。

息子と一緒に歩いて家に帰る。30分ほどで試合が始まった。息子が「チュニジア戦の時と芝生の刈り方が違う」と言う。息子は芝生の様子だけを見て、後は外に遊びに行ったり、ゲームをしたりしている。ふと外を見ると、駐車スペースの芝生に水をやっている。

今日は朝から何となく不安だったが、先発メンバーの組み合わせも変だし、選手は落ち着き過ぎていて変だ。集中が深くないような気がする。と思ったら、DFのミスでコーナー・キックから点を入れられてしまった。1点取られるのはしょうがない。1点取られても取られなくても、「少なくとも1点取らないと勝てない」というのは同じである。問題は、なぜか全然点を取れるような気がしないことだ。

アレックスのフリー・キックは惜しかったが、結局、変な感じは試合終了まで続いた。選手たちはトルコも強い相手だとは言っていたが、やはりブラジルよりは勝てそうなチームに当たって良かったという気持ちがあったんじゃないだろうか。そのせいで集中度が低かったような気がする。こんなことなら、ブラジルと当たった方がいい経験になったかもしれない。

自転車で保育所に娘を迎えに行く。帰ってご飯を炊く。冷凍庫に前に作ったミートソースの残りがあったので、子どもたちにパスタと納豆ご飯のどっちがいいか聞く。一人はパスタ、一人は納豆。付け合わせにインゲンのゴマ和えを作る。