日記2003年08月23日

早起きして電車に乗り、7時半に新大阪に集合。「ふれあい田んぼ教室」の稲刈りに行くのである。バスが中国道を走って10時頃に丹波篠山に着く。バスの窓から道路脇の田んぼを見ると、まだ青い田もあり、黄色い田もある。田植えの時も暑かったが今日はものすごく暑い。この前の時は広場で開校式をやったが、今日は暑すぎるので倉庫の中でやる。鎌を使う時の注意を受ける。振り回したりしないこと。鎌の刃は鋸のようにギザギザになっているので、身体を切ると治りにくいです。稲を掴む手は親指を上にすること(稲と一緒に親指を刈らないように)。

冷夏で稲の成育はあまり良くないとのこと。作況指数95ぐらい。5月に自分たちで植えた田んぼに行って、畔で鎌をもらう。5歳の娘ももらう。大丈夫だろうか。田んぼの稲は一応黄色くなって穂が垂れている。田植えの時と同じように田んぼの両側に分かれて、一斉に刈り始める。鎌を1、2回軽く引けばザクザクっと切れます、と教えてもらったとおりに気持ち良く刈れる。息子はほっといても大丈夫そうである。娘は力が足りないのでかなり何回もギコギコと引いていて、一度鎌が自分のスネに当たりそうになったので、鎌の引き方を指導する。まあ、何とかなりそうだ。

稲を刈ると、隠れ場所を失った蜘蛛やアマガエルやバッタがたくさん出てくる。蜘蛛やバッタはいいけど、アマガエルは田んぼの水が無くなったら困るんじゃないだろうか。などと思いつつ調子よくザクザクと稲を刈っていると、JAのおじいさんに「親指を上にして稲を持ちや」と注意される。僕は注意事項を良く聞いていなかったので、稲を束にして持ちやすいように親指を下にしていたのだった。近くで小さい男の子が泣き出した。指を切ったようだ。スタッフの女性が救急箱を持ってきて手当てをする。

おじいさんの言うとおりに親指を上にして稲を持ち、5、6株刈ったところで束ねてヒモでくくる。くくった稲の束は2つに分けてX字に広げ、畔に立てた物干し竿みたいな棒に掛けて干す。みんな調子よく刈っているので、どんどん稲が無くなって刈り跡の地面が広がり、反対側から刈り進んで来た人たちの鎌の音が近づいてくる。娘がアマガエルを捕まえたと言って見せに来る。ほとんど刈り終えたところで終了の声が掛かる。稲刈りは田植えより大分ラクである。

残った稲をコンバインで刈り取るデモンストレーションを見る。コンバインは800万円くらいするという。この機械は刈った稲から籾をはずし、残った藁は刻んで後ろから吹き出して行く。つまり、田んぼの肥やしにするわけだ。そういう機械を使うから昨今は稲藁というものが手に入りにくいのだそうだ。走り回るコンバインのキャタピラは蜘蛛やバッタやアマガエルを踏ん付けていないだろうか。と思う間もなく、残った稲はキレイに刈られてしまう。では、コンバインを運転してくれたお兄さんに拍手をお願いしま~す。パチパチパチ。

鎌を返して倉庫に戻り、弁当をもらって食べる。お握りと唐揚げとキュウリの漬物の弁当と猪汁。前と同様、とてもおいしい。お茶は黒豆茶で、これもうまい。あまりの暑さにお茶をがぶがぶと飲むが、いくら飲んでも喉が渇く。僕がバテバテで倉庫の隅に寝転がっていると、娘が着ぐるみの「ごはんぢゃワン君」に抱きつきに行く。娘は頭の上にプロペラの付いた帽子をかぶり、「AKAHOSHI 53」のTシャツを着ているので、いろんな人から「タケコプターみたいやなー」とか「阪神強いなー」と話かけられる。僕が売店にペットボトルのお茶を買いに行くと、娘は売店の裏に座り込んでJAのおじいさんと何やら話し込んでいた。

昼食後、脱穀、籾摺り、精米の体験。割りばしで稲から籾をはずし、すり鉢と軟球で籾殻をはずし、ジュースの瓶と木の棒で玄米を突いて精米をした。どれも手間ヒマがかかって結構大変だとわかる。その後で、スイカ割りと餅つきをやる。盆と正月が一遍にとはこのことだ。喉が果てしなく渇くので西瓜を食べてみると甘くてうまかった。西瓜を食べているところにAM-KOBEの子ども番組の司会をやっているお姉さんが来て、娘にインタビューした。昼食で腹一杯だったが、黒豆きな粉の付いたもちもうまかった。こういう実り豊かなところで農作業をしてうまいモノを食べて暮らすのもいいなあ。

次は藁細工体験。まず、藁縄をなう方法を教わる。8本の藁の根元をくくって足で押さえ、4本づつを手のひらの2ヶ所で一遍に捩じっては撚りあわせる。なるほどこうやるのか。息子に教えようとするが、あまり僕の言うことを聞こうとしないので放っておく。すると、近くに座っていたスタッフのおじさんが息子に丁寧に教えてくれる。息子の方もおじさんの言うことを真剣に聞いている。他人の言うことはわりと素直に聞くのである。息子は熱心に縄をなっていたが、時間がきて終了。

帰り支度をしていると、息子が藁をもらって帰りたいといっておじさんに訊きにいく。おじさんはきれいな藁を2束持ってきてくれた。自分たちで刈った稲を3束と、藁細工用の藁2束を、濡れた傘を入れるための袋に入れて持って帰る。夏休みの自由工作として藁草履を作ればいい。年末に正月用のしめ飾りも作ろう。バスに乗り込み、窓からごはんぢゃワン君やスタッフの皆さんに手を振る。帰りのバスではドラえもんの映画の声だけ聞きながらウトウトする。藁束を抱えて電車に乗って帰る。

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