「スパイラル」上原ひろみ ― 2006年03月02日
テレビでライブを見てすごいなあと思ったので買ってみた。速い曲はチック・コリアに似ていて、遅くなると矢野顕子。ライブで客席に向いてニコニコ笑いながら弾くところや爆発系の髪型も矢野顕子に通じるものがある。
この人は何しろもの凄く速く弾けるしちょっと変な面白いフレーズも生みだすし、とにかく自由自在に表現できることは確かだが、一番オリジナルな部分は音の強弱の付け方にあると思う。
楽譜でいうと「p」とか「mf」とか「<」と書くような大雑把な強弱の付け方は昔からあるが、上原ひろみは一音ごとに強弱をコントロールしているような気がする。これは実はすごく新しい表現方法なんではなかろうか?
音楽は意外と頭の回路で味わう部分が多いものだが、この「音の強弱による表現」というのは頭を通さずに直接カラダに訴えかけてくるような気がする。現代人はそういうものに接すると岡本太郎的に「何だコレは!」となるのである。
ベースとドラムもいい味を出している。
「Spangles」吉田美奈子 ― 2006年03月04日
昔タツローの曲の歌詞を書いてコーラスを入れていた人である。このアルバムも初期(30年くらい前!)のタツローのサウンドに近い。いわゆる都会的な音楽。30年前には新しさがあったが、さすがにそれはない。かといって古くさかったり懐かしかったりするわけでもない。
タツローのバックコーラスで聴くと上手くて迫力がある声という印象だが、ソロだとさらに呪術的な雰囲気が加わる。時間も空間も超越しちゃってる感じがする。
普通のCDとSACDとのハイブリッド仕様になってるけど、SACDの再生装置は普及するんだろうか。
ワールドセレクトビア ― 2006年03月11日
昔からサントリーのビールは気に入らなかったのだが、 プレミアムモルツは珍しく旨いなあと思ってたらこんなのも出た。 飲んでみたらこれもいけるやん!値段もフツーのビール並みやし。 当分これを定番にしよう。
プレミアムモルツほどではないが、アロマホップが効いていてよい。 日本のビールもやっとまともになる日が来たようだ。
しかしこのネーミングはいかがなものか。
「A Time 2 Love」スティーヴィー・ワンダー ― 2006年03月12日
昔凄かったベテランが出した久々の新譜というのは期待はずれなことが多い。昔だってそんなにすごい曲ばかりだったわけではないが、聴く方の耳にはいい曲や名盤のイメージばかりが強く残っているので期待が高くなってしまう。そんな期待に答えるのはかなり大変だ。
でもこのアルバムは期待どおり。予想を裏切る新しい展開というようなものはないが、ワンダー師匠の技は健在だ。変にヒップホップになってなくて良かった。1曲ちょっとラップ風になるところがあるが、決してメロディーが無くなることはないのが面白い。
「Circle」木村カエラ ― 2006年03月18日
デビュー盤「KAELA」と同様にへヴィめのバンドサウンドのガールポップである。ガールポップなのにパンクっぽいところはJudy&Maryにヒジョーに近い。声質はだいぶ違うが、自分で歌詞を書くところもYUKIと同じだ。YUKIはジュディマリの時よりソロになってからの方がコンセプトが明快で良いと思う。KAELAちゃんもいずれはそうなるような気がするが、今はいろいろ試行錯誤の時期なのだろう。やっぱり若いうちはバンドを経験しておくのがミュージシャンの王道だ。
モルツ ― 2006年03月20日
モルツはモルトとホップしか使っていない正しいビールのくせに、飲むとなんだかキンキンした味で全然うまくないのが不思議だったのだが、モデルチェンジしてかなり良くなった。ややホップの青い香りが強すぎるような気もするが、ハイネケンもコロナもチンタオもみんなこんなもんで、これくらいが世界標準である。多分そのあたりを研究して作ったのだろう。
サントリーは生まれ変わったようだ。最近出したビールはプレミアムモルツを筆頭にワールドセレクトビア、カナディアンモルト、それからこのモルツとどれもちゃんとしたビールである。過去、日本では苦いだけのキリンラガーの時代が長く続いた後、味のないアサヒスーパードライがヒットして20年、とにかくこういうちゃんとしたはビールは無かったのだった。これからはサントリーを贔屓にしよう。頑張れサントリー。
キリンはハートランドを缶で出すべし、エビスはもっとホップを効かすべし、アサヒは当分スーパードライでいくしかないからしんどいだろうな。
「キラーストリート」サザンオールスターズ ― 2006年03月21日
僕はサザンはわりと好きなのだが、なぜかアルバムを買う気にはあまりならず1990年に出た「Southern All Stars」と「稲村ジェーン」という内容のダブッた2枚だけしか持っていなかった。このキラーストリート2枚組み4200円も買わないつもりだったが、アマゾンで初回限定DVD付きバージョン在庫放出セールというのをやっていて、2700円は安いと思ったので買った。
クワタの曲は昔から一貫して60年代ロック・ポップの引用が多い。このアルバムでも日本のグループサウンズみたいなチープなアレンジがあり、ビーチボーイズやフィル・スペクターを拝借した曲もあれば、ビートルズもある。そうやって同じところをグルグル回っている。それであまりCDが欲しくならないのだ。
奥田民生もものすごく引用が多いが、タミオは同じところを回っているんじゃなくてだんだん深く掘り進んでいるような気がする。新譜が出るたびに新しい局面が見られて面白い。そこが全然違う。
クワタは売れ線のポップな曲を作らせたら日本一である。キラーストリートの中にもそういう曲が一杯入っている。聴いていて楽しいことは楽しい。タミオはそういう曲を敢えて書かない。それは自分の表現の幅を狭めることになるからだという。クワタはそういう曲を書く立場を引き受けているから同じところをグルグル回ることになる。それはそれで偉いとは思う。
「Curious George」Jack Johnson ― 2006年03月26日
絵本で有名な「おさるのジョージ」が映画化されて、その音楽をジャック・ジョンソンが作った。いつもどおりのんびりリラックスしている。というか、おさるのジョージにふさわしく、いつもより余計にほのぼのしている。
ジャケットも歌詞カードも絵本仕様でかわいい。映画の日本語吹き替え版が出たら、歌は所ジョージ(絵本のビデオのナレーションをしている)に歌ってもらいたい。子どもが大きくなったので見る機会もないだろうけど。
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