僕が会社を辞めたわけ ― 2006年08月25日
21年勤めた会社をやめた。いろんな人からなんでやめるのか訊かれたが、何かひとつ大きな理由があってやめたわけではない。多くの要因が重なってビッグウェイブになって押し寄せてきたので、ちょっとビビリながらもテイクオフしたのである。そもそも昔から「いつでもやめたる」と思いつつ実際会社でもそう言いながら働いていたので、いつやめてもフシギはなかった。
僕のいた事業部が何年も赤字続きでついに廃止されたこともやめるきっかけのひとつだ。その事業部に所属していた人たちは会社内外のいろんなところに散り散りになってしまった。僕は同じ課の同僚たちと一緒に別の事業部に移って今までとだいたい同じ仕事を続けることになったのだが、喩えてみると「イタリア料理店から宅配ピザ屋に移った」といった感じでやっぱりなんかちょっと違う。
事業が続いているうちにやめたとしたら心残りもあるかもしれないが、向こうもやめるというんだからしょうがない。20年も現場で設計してきてやれることは一通りやったし、まあ潮時だろうという気がする。最近は僕も奥さんも仕事が忙しくて残業が多くなり、どちらかが勤めをやめないと家庭生活が崩壊しそうな状況でもあった。
そういうわけで僕が家に引っ込んで3ヶ月になる。最初のひと月はいろんな事務手続きを片付けながらワールドカップを観て過ごし、次の月はなんか放心しているうちに過ぎ、今月は高校野球を観ながら子どもたちと一緒に過ごした。
平日はだいたい僕が三食の用意をする。要するに専業主夫である。週に3回くらいスーパーマーケットに行く。毎日毎日食事のメニューを考えるのは結構キツイが、会社の仕事のプレッシャーから解放されて気分がよい。日曜の夜にサザエさんを見てもブルーにならない。
「何年か後に会社が事業から撤退して自分は会社をやめる」と分かっていても、僕はあの執拗なプレッシャーを感じていたのだろうか。「いつでもやめたる」と言いつつ、僕は無意識のうちに仕事が永遠に続くとでも思っていたのかもしれない。
コメント
_ junko ― 2006-08-29 16:37
_ ぶんよう ― 2006-08-30 13:39
うちは役割が固定してないんで、「外野手もピッチャーもやらないと」みたいな感じです。肩に張りあるので、しばらくは奥さんに投げてもらうことしました。
家事ばっかりだとたしかにきつそうですね。今のところ勉強したり求職活動したりで紛れてますが。
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ぶんようさんと奥さんって、生活のスタンスが対等って感じでいいですね。変化にも対応できるし。
ほんでも、家事ばっかり、になると結構キツイですよ。^^