「songs in the birdcage」 コトリンゴ2009年12月18日

コトリンゴのデビュー作。去年買って少し聴いたのだが、新作「trick & tweet」に感動したので、もう一度よく聴いてみることにする。

打ち込みエレクトロ・ポップという印象だったが、実はピアノ弾き語りがベースで、そこに静かなリズム・トラックが被せてあったり、生のストリングスが絡んだりする。

コトリンゴの弾き語りはちょっと変わっている。弾き語りの人は「(1)楽器と歌にいっぺんに感情を込めるタイプ 」と「(2) 楽器をクールに弾いて歌に感情を乗せるタイプ」がいて、(2)の方が音楽家としては上級なのだが、コトリンゴは「(3) 歌をクールに歌って、楽器に感情を出す」というとても珍しいタイプである。

コトリンゴは、歌うようにピアノを弾いて、反対に声は楽器として理性的にコントロールしているのである。これはイチローのバッティング・フォームくらい変則的で高度だ。なかなか真似できるものではない。

ピアノは小さい音で遠くに聴こえるように控え目に録音されていてあまり目立たないのだが、よく聴くと凄い。ワイルドに弾きまくっているときほど音が小さいところにバランス感覚と美意識が感じられる。

静かな曲ばかりなので聞き流すと地味な印象だが、じっくり向き合って聴くとだんだん細部が見えて、真価が分かってきた。

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