「Z」 ユニコーン ― 2011年06月24日
ユニコーン再結成後2作目。前作よりシンプルなロックで良い。14曲もあるが通して聴いても途中でダレない。相変わらずビートルズっぽかったりディープ・パープルだったり、いろいろ引用があるのも面白い。一番気に入ったのは、何をするのも面倒クサイおっさんが「荒れた心には散歩がええんじゃー」と歌う「手島いさむ物語」。電車で聴いていてひとりで声を出して笑ってしまった。ハードロックに乗せた広島弁が良い。
ユニコーンは昔より再結成後の方が断然良い。特に演奏のまとまり方が全然違う。テレビのインタビューで奥田民生は「昔は『俺が、俺が』だったが、今は『君が、君が』だから」と言っていたが、それがハッキリと音にも表れている。再結成して、昔の曲じゃなくて新しい曲をやり、しかも昔より良くなっているバンドなんて古今東西なかなかいない。
タイトルの「Z」は日本海軍が重要な戦いのときに掲げたZ旗のことだろう。結構気合入れてやってるのだという意思表示だと思う。
「通貨を知れば世界が読める」 浜矩子 (PHP新書) ― 2011年06月27日
時々テレビでお見かけする浜先生は紫の髪の毛で不機嫌そうな表情で辛辣なコメントをしていて、痛快である。仰ることがいつもクールで大局的で面白いので、ご著書を拝読する。
最近は日本国の財政状況悪化により円が暴落するだろうといっているエコノミストも多いが、浜先生は1ドルは50円くらいになるという。日本がどうあれ、ドルが基軸通貨としての役割を終えると、概ね半分くらいに価値を落とすだろうと予測する。
そういう予測にいたる前提として、金本位制とか基軸通貨について大英帝国くらいからの歴史を語る。僕はそういう経済史みたいな話にあまり興味が無かったのだが、語り口が講談風で分り易く、面白かった。
1ドルは高度成長期の360円から80円にまでなったのだから、80円が50円になっても不思議は無かろうという。僕も僭越ながらだいたい同じ意見である。そうなると、大量生産で価格競争をする輸出企業なんかは、もう無理だ。
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