「おおきなかぶ、むずかしいアボカド」 村上春樹2011年08月02日

春樹さんは最近あまりエッセイを書かなくなってしまった。その理由は、あらゆるネタを小説のために取っておきたいからということのようである。期間限定のウェブサイトも開設しなくなった。そのかわりテレビのニュースでスピーチ映像が流れたりする。

久しぶりのエッセイなので楽しみに読んだが、なんかカドが取れてマイルド過ぎるような気がする。言いたいことはちゃんと言っているのだが、なんか抑制された言い方になっている。昔の村上朝日堂シリーズにはちょっと突っ張ったところもあって、そこが良かった。昔と違って世界的に影響力のある人物になってしまったので、いろいろ気を使っているようだ。

でも、まあ面白いことは面白かった。もったいないので毎日少しずつ読んだ。近々読み返したい気もする。

「Ray Of Hope」 山下達郎2011年08月15日

デジタル録音・CD発売になった「Pocket Music」以降の達郎さんのアルバムは全部同じような雰囲気がある。常に打ち込みを多用した演奏で、バンドサウンドじゃない。完成度は高く音もとてもクリアだが、分離が良すぎて聴くのにパワーが要るような気がする。何回聴いても昔は良かったと思ってしまう。この残念な感じは何かに似ていると思ってよく考えてみると、ミスタードーナツの店舗の内装が板張りからプラスチックに変わってしまったことだと気付いた。

最近のインタビューで、「今後ファンクやギターのリフに戻りたい、すべて生でやりたい」と言っていたので、大いに期待してます。