日記2002年08月03日

今話題のユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行くことになる。去年5月に行って以来、2回目。あの時はとても混んでいて、一日中歩きまわって並び疲れて、ヘトヘトになった。しかも電車で行ったので、寝てしまった娘を背負って帰るのは大変だった。混んだ電車でウッディ・ウッドペッカーのヘリウム風船を2つ持って帰るのも苦労した。

今回は夕方5時から入場料が安くなるのを狙って行く。車で湾岸線を走って駐車場に入ると、とても空いている。少し雨が降っているが、涼しくていい。入場門のところで5時からのチケットを買おうとすると、それはローソンでしか買えないのだと説明される。JRの駅の方にローソンがあるのでそこで買って下さい。しかたがないので、奥さんが買いに行く。地球儀の前で待っていると、東アジア系外国人カップルに流暢な英語で写真を撮ってくれと頼まれる。

入場口に「ハリウッド・マジックは点検のため中止いたします」と書いた張り紙がある。火薬問題で花火ショーは行われない。多分その埋め合わせの意味でピンバッジをくれる。場内アナウンスで、5時以降、売店やレストランでソフトドリンクを無料サービスすると言っている。冷水器が使えないせいである。

中に入り、まず娘とウッドペッカーの写真を撮る。「ジョーズ」を見ることにし、列に並ぶ。途中、冷水器の前でミネラル・ウォーターを配っている。結構人出がかかっていて大変そうである。一杯いただくことにする。アトラクションの内容はディズニー・ランドのジャングル・クルーズ(だったっけ)とほとんど同じ趣向だが、音や水しぶきや炎がやたらと激しいところが違う。ジョーズの最期が息子にウケていた。

次はウォーター・ワールド。スタントが派手で面白かったが、音がでかすぎて、娘はずっと後ろを向いて僕にしがみついていた。外に出て歩いていると、セサミ・ストリートのキャラクターがいたので、エルモやクッキー・モンスターと子どもたちの写真を撮る。日本人の若いカップルに東京弁で写真を頼まれる。手渡されたレンズ付きフィルムでクッキー・モンスターと一緒に並んだカップルの写真を撮る。

歩いていると、あちこちでキャラメル・ポップコーンの匂いがしてくる。春巻きとビールの屋台があり、強く心を惹かれるが、何となく先を急いで通りすぎてしまう。ターミネーター(前説のお姉さんが早口で面白かった)を見て、ET(ディズニー・ランドでいうとスモール・ワールド?)の自転車に乗り終ると8時くらいになっていた。

腹ぺこだが、娘が去年見て今年も見たいと言っていたウッドペッカーのアニメ・セレブレイションに並ぶ。前説の兄ちゃんは新米らしく、去年の兄ちゃんに比べるとだいぶ下手だった。外に出て、奥さんと息子はバック・トゥ・ザ・フューチャーに、僕と娘はスヌーピ-・スタジオに行く。娘と20分くらい並んで(去年は1時間以上待った)ウォーター・スライダーに乗る。娘は速すぎて怖かったという。娘をスヌーピ-・スタジオで遊ばせて待っていると、奥さんと息子が戻ってくる。

気がつくと何も食べないうちに9時半になっていて、屋台もレストランも閉まっている。奥さんが子どもたちの友人用にお土産を買い終ると閉園時間の10時直前になる。外に出てそば屋でそばを食べ、車に戻って家に帰る。アトラクションは去年の3倍くらい見られたが、ゆっくり飲み食いするヒマもなくて疲れた。

日記2002年08月12日

奈良に遊びに行くことになる。奈良に行くのは20年ぶりくらいだ。大阪からJR大和路線で行けばいいのかと思って地図を見ると、近鉄の方がよさそうだ。玄関を出てすぐ、家の前の道路でダンゴムシを発見する。駅まで歩いている途中、娘と手を繋ごうとすると、さっきのダンゴムシを手に握っている。南海電車で難波まで行き、そこから近鉄奈良線に乗り換え。

快速急行という速そうな電車が来たので乗ることにする。電車の中で娘はダンゴムシを「クルリンちゃん」と命名する。生駒山のあたりで電車が坂を登り始め、急に景色が良くなる。北と思われる方向に高層ビル街が見えるが、どこなのか判らない(家に帰ってから調べると、そのあたりで線路は北に向かっており僕が見たのは西の方角にある大阪城の近くのビル群だった)

トンネルを抜けるとそこは田園だった。やっぱり奈良の風景はのどかである。娘がクルリンちゃんをシートの隙間に落としてしまうが、ママが助け出す。そうこうするうちに電車が地下にもぐって近鉄奈良駅につく。難波から35分くらいしかかからなかった。思っていたよりずっと近い。

近鉄奈良駅の乗降客はあまり多くない。はっきり言ってとても少ない。JR奈良の方がメジャーなのかもしれない。観光客らしき人々の多くが外国語を話している。韓国語と中国語がほとんど。駅の案内所で観光地図をもらう。奥さんと子どもたちがソフトクリームを食べている間に、東大寺行きのバス停を探す。観光客で混んだバスに乗り、3つか4つ目の停留所で大半の人が降りる。我々も降りる。

娘が我が家の前から連れてきたダンゴムシのクルリンちゃんをバス停のそばの地面に逃がす。鹿がいる。奥さんが売店で鹿センベイ(8枚くらいで150円)を2束買う。僕がセンベイをもらって鹿にやろうとすると、鹿にとりかこまれ、後ろから来たヤツに尻を噛まれる。奥さんはシャツの裾を噛まれてベタベタにされる。娘は腕を鼻で突かれて泣き出す。とにかくセンベイを配り終え、両手をパーにして見せ「もう無い、もう無い」と言うと、鹿たちはあきらめたようだった。子どもたちも、鹿が寄ってくると両手を広げて「もう無いヨ」と言っている。

しばらく行くとおとなしそうな鹿たちが地面に座り込んでいたので、子どもたちと一緒にデジカメで写真を撮る。アブラゼミの声を聞きながら東大寺まで歩く。子どもの頃何度か来た。小中高それぞれ1回ずつくらい来たような気がする。ここはやっぱりスケールがでかい。門もでかいし、左右に立っている仁王さんもでかい。アッケラカンとしていて、ユーモアすら感じる。太陽の塔にも通じるものがある。

20才くらいの女性2人組(のとてもキレイな方のコ)に大仏殿をバックに写真撮影を頼まれ、レンズ付きフィルムを渡される。完全に逆光なのでフラッシュをオンにしようとすると、既にオンになっている。奥さんによると、僕は写真を頼みやすそうな顔をしているのだそうだ。

大仏殿の建物も見ものだ。特に庇の裏側あたりの木組みは迫力がある。重機の無い時代にどうやってこんな建築が出来たのだろうか。中に入ると大仏はやっぱりでかい。左右の仏像もかなり大きい。大仏さん本人は普通の仏像と違って細部の装飾はあまり凝っていない。「細かいことはええやないか」というような大らかさが感じられる。大仏さんの周りをぐるっとまわって、お決まりの柱の穴を子どもたちがくぐる。小学校3、4年くらいの太った男の子がくぐろうとしたが、あきらめた。僕も小さい頃にくぐった記憶があるが、小学校低学年だったのか。

土産物の売店で娘が小さい鹿の置物、息子は「方位磁石付き、金の大仏キーホルダー」を買う。外に出て、若草山まで歩く。また鹿センベイを買って、今度は息子がトライする。鹿に追いかけられて、ほとんどのセンベイを投げている。最後の一枚は何とか手から食べさせた。地面に鹿のフンがたくさん落ちているなあと言うと、息子は木の実だと思って踏ん付けてたと答えた。

しばらく歩いてから、「浮游代理店」という喫茶店に行こうということになる。我が家を設計してくれた建築家の駒井貞治氏が設計した店なので、いっぺん見ておこうと思ったのだ。タクシーに乗って「浮游代理店」の場所が書いてある雑誌を見せると、運転手のおじさんはよくわからないので無線で聞いてみると言う。しかしその直後、おじさんは雑誌の記事に「月曜定休」と書いてあるのを発見し、今日は月曜やから休みやでと教えてくれる。しかたないのであきらめ、近鉄奈良駅まで行ってもらう。

商店街で食事をすることにする。和食の店に入り、僕は「大和路名物、冷やし茶がゆ御膳」を注文する。いろんな漬物なんかが付いていておいしいが、1400円は高いのではないか?

また近鉄に乗って帰る。電車の中で娘が寝てしまったので、近鉄難波から南海難波まで娘(16kg)を抱っこして歩く。家に帰ってから、娘がクルリンちゃんのことを想い出したと言って泣いた。

日記2002年08月31日

朝起きると、あまり気分が良くない。パンとコーヒーの朝食の後、夏休みの工作の仕上げ。息子が先週作った紙粘土の恐竜に色を塗るのを手伝う。盆休みに行った恐竜展のチラシを見ながら色や柄を考えさせる。絵の具の混ぜ方や筆の使い方がいい加減なので、厳しく指導する。

午後、息子が昼寝をしている間に自転車でホームセンターに行き、透明の水性アクリル塗料を買ってくる。水性なので絵の具が滲むかもしれないが、そおっと塗れば大丈夫だろう。塗ってみるとやっぱりちょっと滲む。あまり刷毛を動かさないように注意して塗る。

夕方、一人で難波に買い物に出かける。難波から心斎橋まで御堂筋を歩く。暑いけど、イチョウ並木の緑が気持ちいい。大丸に入り、あるプレゼントの品を買いに売り場まで行ってみるが、無意味に高いブランド物しか置いてないので買わない。大丸を出て、タワー・レコードまで歩く。

知り合いの出産祝いにリクエストされた2枚のCDを探す。メモを見ながらロック、ジャズ、ソウルの棚を探すが見つからない。Jポップの階でオレンジペコのアルバムを買おうかと思うが、レジに5人くらい並んでいるのでやめる。もともと気分が良くないうえに、だいぶうろうろして何も収穫が無いので、ものすごく凹んだ気分になってきた。唯一の収穫は奥田民生の新譜が来月発売されるという情報。楽しみだ。

スポーツ・タカハシまで歩いていって、プレゼントの買い物。店員の女の子が丁寧に包装してくれる。ゆっくりだが確実に包装紙を折られていくのを感心して眺めていると、少し気分が和んでくる。昔ここで買ったナイキの短パンのお尻が擦り切れて穴が空いてしまったので、同じようなものが無いかと探すが、無い。

ジュンク堂まで歩いていく。途中に感じのよいカジュアルな和食屋があったので覚えておく。出産祝いリクエストのリストにあった絵本を探すが無い。いろんな棚を見るが、特に読みたい本も無い。村上春樹の長編が来月に出る(15歳と猫についての話らしい)という情報だけが収穫で、また凹む。

疲れたので喫茶コーナーに行ってイスに座り、前に一万円分の本を買った時にもらったドリンク・チケットでオレンジ・ジュースを飲む。エスカレーターで上がってくる人と向き合う席で、いろんな人を観察しながらぼおっとする。あちこち歩いている間にも思ったが、こんなに暑いのに僕みたいに短パンで歩いている人間はとても少ない。孤独だ。

あまりにも収穫が少なく、気分がどん底まで落ち込みそうなので、タワー・レコードに戻って出産祝いのCDをもう一度探すことにする。歩いている途中に「北極星」という洋食屋らしき店があり、その前に30人くらい並んでいる。「オムライス」と書いた幟が何本も立っている。僕だったらそんな店には並ばない。

タワー・レコードのロックの階に行き、メモを見せてCDを探してもらう。店員の女の子がパソコンで検索し、他の階に電話して在庫を確認してくれる。それぞれジャズとクラシックの階に2枚ともあることがわかり、従業員用エレベータで案内してくれる。親切にしてもらって収穫も得たので、だいぶ気分が回復する。

難波に来た時はまったく食欲がなかったが、随分歩いて(家に帰って地図で調べたら5.5キロ歩いていた)腹が減った。さっき見つけた和食の店まで行ってみることにする。途中、金竜ラーメンの前を通り、一度食べてみようかとも思うが、座りたいのでやめる。和食の店は団体客で混んでいたのでやめて、「かつや」に行くことにする。薬屋の前で白人の女の子が座り込んでいるのを見かける。動物キャラクターの置物と一緒に自分の写真を撮ろうとしていた。

「かつや」でヒレカツ定食と生ビールを注文する。定食にはどんぶり飯と豚汁とお新香が付いている。腹ぺこなのでガツガツ食べる。店を出てスターバックスの前を通り、中を見たら空いていたので入ろうかと思うが、お腹一杯で苦しいのでやめる。空いた電車の長イスに座り、タワー・レコードでただでくれる広告誌を読む。今日は自分のものは何も買わなかった。