日記2002年08月12日

奈良に遊びに行くことになる。奈良に行くのは20年ぶりくらいだ。大阪からJR大和路線で行けばいいのかと思って地図を見ると、近鉄の方がよさそうだ。玄関を出てすぐ、家の前の道路でダンゴムシを発見する。駅まで歩いている途中、娘と手を繋ごうとすると、さっきのダンゴムシを手に握っている。南海電車で難波まで行き、そこから近鉄奈良線に乗り換え。

快速急行という速そうな電車が来たので乗ることにする。電車の中で娘はダンゴムシを「クルリンちゃん」と命名する。生駒山のあたりで電車が坂を登り始め、急に景色が良くなる。北と思われる方向に高層ビル街が見えるが、どこなのか判らない(家に帰ってから調べると、そのあたりで線路は北に向かっており僕が見たのは西の方角にある大阪城の近くのビル群だった)

トンネルを抜けるとそこは田園だった。やっぱり奈良の風景はのどかである。娘がクルリンちゃんをシートの隙間に落としてしまうが、ママが助け出す。そうこうするうちに電車が地下にもぐって近鉄奈良駅につく。難波から35分くらいしかかからなかった。思っていたよりずっと近い。

近鉄奈良駅の乗降客はあまり多くない。はっきり言ってとても少ない。JR奈良の方がメジャーなのかもしれない。観光客らしき人々の多くが外国語を話している。韓国語と中国語がほとんど。駅の案内所で観光地図をもらう。奥さんと子どもたちがソフトクリームを食べている間に、東大寺行きのバス停を探す。観光客で混んだバスに乗り、3つか4つ目の停留所で大半の人が降りる。我々も降りる。

娘が我が家の前から連れてきたダンゴムシのクルリンちゃんをバス停のそばの地面に逃がす。鹿がいる。奥さんが売店で鹿センベイ(8枚くらいで150円)を2束買う。僕がセンベイをもらって鹿にやろうとすると、鹿にとりかこまれ、後ろから来たヤツに尻を噛まれる。奥さんはシャツの裾を噛まれてベタベタにされる。娘は腕を鼻で突かれて泣き出す。とにかくセンベイを配り終え、両手をパーにして見せ「もう無い、もう無い」と言うと、鹿たちはあきらめたようだった。子どもたちも、鹿が寄ってくると両手を広げて「もう無いヨ」と言っている。

しばらく行くとおとなしそうな鹿たちが地面に座り込んでいたので、子どもたちと一緒にデジカメで写真を撮る。アブラゼミの声を聞きながら東大寺まで歩く。子どもの頃何度か来た。小中高それぞれ1回ずつくらい来たような気がする。ここはやっぱりスケールがでかい。門もでかいし、左右に立っている仁王さんもでかい。アッケラカンとしていて、ユーモアすら感じる。太陽の塔にも通じるものがある。

20才くらいの女性2人組(のとてもキレイな方のコ)に大仏殿をバックに写真撮影を頼まれ、レンズ付きフィルムを渡される。完全に逆光なのでフラッシュをオンにしようとすると、既にオンになっている。奥さんによると、僕は写真を頼みやすそうな顔をしているのだそうだ。

大仏殿の建物も見ものだ。特に庇の裏側あたりの木組みは迫力がある。重機の無い時代にどうやってこんな建築が出来たのだろうか。中に入ると大仏はやっぱりでかい。左右の仏像もかなり大きい。大仏さん本人は普通の仏像と違って細部の装飾はあまり凝っていない。「細かいことはええやないか」というような大らかさが感じられる。大仏さんの周りをぐるっとまわって、お決まりの柱の穴を子どもたちがくぐる。小学校3、4年くらいの太った男の子がくぐろうとしたが、あきらめた。僕も小さい頃にくぐった記憶があるが、小学校低学年だったのか。

土産物の売店で娘が小さい鹿の置物、息子は「方位磁石付き、金の大仏キーホルダー」を買う。外に出て、若草山まで歩く。また鹿センベイを買って、今度は息子がトライする。鹿に追いかけられて、ほとんどのセンベイを投げている。最後の一枚は何とか手から食べさせた。地面に鹿のフンがたくさん落ちているなあと言うと、息子は木の実だと思って踏ん付けてたと答えた。

しばらく歩いてから、「浮游代理店」という喫茶店に行こうということになる。我が家を設計してくれた建築家の駒井貞治氏が設計した店なので、いっぺん見ておこうと思ったのだ。タクシーに乗って「浮游代理店」の場所が書いてある雑誌を見せると、運転手のおじさんはよくわからないので無線で聞いてみると言う。しかしその直後、おじさんは雑誌の記事に「月曜定休」と書いてあるのを発見し、今日は月曜やから休みやでと教えてくれる。しかたないのであきらめ、近鉄奈良駅まで行ってもらう。

商店街で食事をすることにする。和食の店に入り、僕は「大和路名物、冷やし茶がゆ御膳」を注文する。いろんな漬物なんかが付いていておいしいが、1400円は高いのではないか?

また近鉄に乗って帰る。電車の中で娘が寝てしまったので、近鉄難波から南海難波まで娘(16kg)を抱っこして歩く。家に帰ってから、娘がクルリンちゃんのことを想い出したと言って泣いた。

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