日記2005年07月27日

6時半起き。朝食は昨日デパ地下で仕入れたパン。今日はどうやって万博まで行こうか。ホテルのある千種から万博に行くには3通りのルートが考えられる。1、JR千種から中央線、愛知環状鉄道経由で行く。2、地下鉄東山線で星ヶ丘まで行ってリニモ乗り換え。3、名古屋駅に戻ってバス。昨晩ガイドブックで調べたところでは、中央線の万博直通列車は7時半くらいにならないと走っていないので、1は乗換えが多くてややこしそうである。2はリニモに乗り換える時にものすごく待たされるらしいのでパス。1、2は北ゲートに着くが、3で東ゲートに着いた方が早く中に入れそうな気もする。結局、地下鉄で名古屋駅まで戻って昨日と同じバスに乗ることにする。

地下鉄で名古屋駅まで行き、バッグをコインロッカーに押し込む。バス乗り場まで歩いて行くと、もう100人くらい並んでいる。15分くらい待つとバスが次々に出発し始めた。4台目に乗る。8時半に東ゲートに着いて、9時の開門まで並んで待つ。日差しは強いが、台風の名残りの風が吹いている。足元の地面には細かい木のチップが敷いてあり、コンクリートやアスファルト舗装より涼しげで良い。周りの山からアブラゼミの声が聞こえる。

開門から10分ほどでゲートを通り、「走らないで下さい!」という係員の声を聞きながら企業パビリオンゾーンまで早足で歩く。日立館の列に並んで10時半の整理券をもらう。次に三井東芝館に行こうとするが、人の流れに押されてすぐ隣の列に並んだらトヨタ館の「子ども・高齢者連れ優先」整理券の列だった。30分ほど並んで1時半の整理券をもらう。子どもたちはトヨタ館はつまらなそうだから観たくないというが、「せっかく整理券がとれたのだから、話のタネにどういう風にツマラナイか観てみよう」と説得する。

青い空に「POCARI SWEAT」という白い文字が浮かんでいるのを発見。テレビCMでやっているのと同じ広告をやっているわけである。よく見ると5機の飛行機が並んで飛びながら白い煙を吐きだして文字を作っている。周りの人たちも空を見上げ、それにつられて空を見た西洋人のオジサンが「ポカライ、スウェット? WHAT?」と言って眉をしかめた。そういえば、ポカリスウェットの発売当時に、飲み物の名前にSWEATつまり「汗」と付けるのは英語ネイティブの印象としては×ではないかという話を読んだような記憶がある。

コモン1に行き中央アジア館で大きな涅槃像を見たりする。モンゴル館でテント住宅「ゲル」の中に入ってみる。大阪万博跡地にある民族学博物館でも見たことがある。そういえば、最近大阪の万博公園に行ってない。久しぶりに行きたい。愛知万博の跡地には何ができるのだろうか。

整理券の指定時間になったので日立館に行く。小さめのノートパソコンみたいな携帯表示装置を渡されて狭い展示通路を歩く。表示装置を展示物の赤い印のところに持っていくと、絶滅危惧動物の説明が出てくる。同じ装置で同じ説明を表示しているのに、大人には漢字で子どもには平仮名で表示される。どうやっているのか考えたが、仕組みが見抜けなかった。通路の出口まで行くと表示端末が回収されるが、その時に端末の端に付いている透明カプセルを交換していた。燃料電池とのこと。

その後、乗り物に乗って双眼鏡のような装置を覗くと景色にCGが合成されるという展示を見る。CGで表示された動物に手をかざすと、動物が手に乗ったりする。手で握ったベルトのような装置で手の位置を検出しているのである。CGのフクロウ博士が僕の名前を読んで語りかけてくるところは、USJの「ET」と同じ。目新しい装置で面白かった。

昼食。シンガポール館の麺を食べる。イカやエビが入っているカレー味のラーメンみたいなもの。子どもたちはピザ。

そうこうするうちにトヨタ館の時間。整理券があっても30分くらい待たされる。中に入ると長円形のフロアステージを観客席が取り囲んでいる。まずラッパを吹くロボットの演奏。地味。ラッパを吹いたからどやっちゅうねん。その後、ダンサーと一人乗り変形4輪自動車による舞踏劇。前半の「温暖化による危機」を象徴しているであろうパートが冗長。どうやら地球温暖化を救うためにこの変形4輪自動車が登場したという趣旨のようだが、温暖化防止のためには万博会場で結構人気のある自転車タクシーの方がよっぽど役立つだろう。最後に人間が乗れる二足歩行ロボットが登場するが、動きが鈍い。トヨタ館はやっぱりイマイチだった。

みんなが一番観たがっていた三井東芝館に並ぶ。120分待ち。退屈なので周りの人々を観察して過ごす。この万博には高揚感みたいなものがあまり無くて良い。一応非日常的イベントのはずだが、みんなわりと淡々と楽しんでいる感じがする。環境保護がテーマ(だったっけ?)だから、会場のゴミ箱も細かく分別するようになっているし、展示内容も「このままでは地球は酷いことになります」みたいな話が多い。昔と違って「科学技術&経済成長万歳」的に脳天気になれない雰囲気がある。僕はもともと愛知万博には興味がなかったのだが、この中途半端な感じが結構気に入った。

いよいよパビリオンの入り口まで案内されたところで娘がトイレに行きたいと言い出す。案内係のお姉さんが関係者用のトイレに連れて行ってくれて事無きを得る。16人が一組となって建物の中に入り、水色の制服を着た可愛いお姉さんから説明を受けた後、穴の開いた箱の中に顔を突っ込む。デジカメ7台で自分の顔を撮影し、小さい映画館みたいな部屋に移動してCGのSF映画を観ると、自分の顔をしたキャラクターが登場して加山雄三と共演するのである。家族が次々に登場するが、CG化した顔が面白いので笑えた。

ひととおりいろんなところを回って観たいものは観た、ということで家族みんなが納得し、あとは適当にぶらぶらすることになる。サクランボソフトを探しに、こいの池まで歩く。途中の売店で娘にキッコロとモリゾーを買う。こいの池に面した日本広場の屋台で山形サクランボ・ソフトクリームを発見し、買って食べる。たしかにうまい。

奥さんの友人がアフリカ関係のパビリオンで働いているらしいので、アフリカ共同館に行ってみる。奥さんが友人のことを案内係の日本人に尋ねてみるが、知らないと言われる。ネクタイを締めたアフリカ青年が椅子に座って太鼓を叩いているのを近くて見ていたら、息子が手招きされる。息子が太鼓の叩き方を教わって青年と一緒に叩く。楽しそうだった。

娘が疲れたというので、外のベンチで休む。その間に奥さんと息子はエジプト館を見に行く。結構人気が有り、5分待ちくらいの行列ができていた。面白かったとのこと。

コモン3に移動。ドイツ館が空いていたら入ろうかと思ったが50分待ちなのでパス。スペイン館とイタリア館の間を歩く。スペイン館の外壁のデザインは赤白橙黒の蜂の巣模様で印象的。娘がまたトイレに行き、戻ってきたら首から下げていたモリゾーが無くなっている。トイレに忘れてきたという。奥さんがトイレに並んでいる列の先頭の人に頼んでモリゾーを取りに入らせてもらう。

夕方になり、もう何かを見て回る元気も無くなってきたので、北ゲートに向かってグローバル・ループ(デッキ)を歩く。何か乗り物に乗りたかったが、乗り物はみんなループを時計方向に走っていて、我々の進む方向とは逆なのだった。

腰を押えつつ何とか北ゲートまでたどり着く。子どもたちが公式グッズショップを見たがるが、混んでいるので「名古屋駅のキオスクで同じ物売ってるから」と言ってパス。ゲートを出てリニモの駅に行くとたくさん人がいるが、駅員に訊くとすぐ乗れるという。ホームから濃尾平野に沈む夕日が見える。3両編成の小さいリニモに乗ってぎゅうぎゅう詰めになる。とても滑らかに加速して5分ほどで終点に到着。JRの直通列車に乗換え。電車の床に折畳み椅子を広げて家族交代で座る。

名古屋駅のキオスクで少しお土産を買ってから、夕食に讃岐うどんを食べる。奥さんがみどりの窓口に行って、9:35のぞみの指定席を9:20に変更した。僕がコインロッカーにバッグを取りに行くが、遠かったので少し遅くなった。バッグをかついで走ったら足がもつれてコケそうになる。うどん屋の前まで戻ったところで奥さんが新幹線の時間は9:10だと言い、みんなで走って新幹線のホームに上がるとすぐにのぞみが来た。新幹線の中でビールを飲みたかったが、酔ったら新大阪から家まで帰るのが余計にしんどくなりそうなので、家まで我慢した。

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