「風の歌を聴け」 DVD2007年09月25日

村上春樹のデビュー作の映画化。「風の歌を聴け」という小説は何度読んでも発見があって面白いが、映画は別物だろうと思ってずっと見ずにいた。ところが、最近「東京紅団」というサイトを発見して、映画「風の歌を聴け」のロケ地の写真を眺めているうちに映画が見たくなった(このサイトは誰がやっているのか知らないが、様々な作家にまつわる場所をあちこち訪ね歩いていて面白い)。

小説「風の歌を聴け」の舞台は(明示はされていないが)阪神間で、映画も阪神間で撮影されている。映画が撮影された頃、18歳くらいの僕も阪神間をウロウロしていた。僕の興味は映画の内容より、そこに映っている昔の阪神間の風景にある。

見てみると、懐かしい風景が次々に出てくる。今は無い西宮球場とかクリスボンとか。自分の知っている場所ばかりなので、ああ、ここで撮影したのか、と背景の方が気になる。映画本編ではなくメイキング映像を見ているみたいだ。J's Barの場面が撮影されたのは三ノ宮にある「HALF TIME」という店で、映画が公開されてから数年後に行ったことがある。ビールを注文すると映画と同じように瓶入りのバドワイザーが出てきた。3フリッパーのピンボールも置いてあった。

セリフやナレーションはかなり原作に忠実だ。小説から映画に移し替える工夫もいろいろ考えてあって、映画独自の場面もある。うーん、でも中途半端だ。もっと忠実度にこだわった方が良かったと思うけど、そうするともっとスカスカになるか。まあ何しろ昔懐かしかった。小林薫も室井滋も若い。

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