「バッハ:ゴルトベルク変奏曲(’81)」 グレン・グールド2007年10月01日

'55年のデビュー盤に比べて、このアルバムはデジタル録音だから音が良い。音楽は音質の問題じゃないよという考え方は僕の中にもあるが、やっぱり音質がいいと聴く楽しみも増すものだ。音楽の3要素はリズム、メロディー、ハーモニーだというが、それ以外に「楽器の音色」というのもかなり重要だと思う。録音がいいと、音色もよくわかる。例の鼻歌もよく聞こえる。デビュー盤の演奏とは全然違って落ち着いた演奏だが、歯切れの良さは変わらない。

グールドがこの曲を弾いている映像を発見した。低い椅子に座って、かなり変則的な姿勢で弾いている。昔、中村紘子さんがNHK教育TVのピアノ教室で(僕の記憶では)「フォルテを弾く時はこうやって体重を掛けなさい。♪ガーン(親指を立てて真ん中のドを強く弾く音)」と指導していたが、このグールドの姿勢だと体重を掛けるのは不可能だ。グールドは普通より指の第二関節をよく使っているようにも見える。

さて、去年の暮れ頃に始まった僕のクラシック・ブームは、途中からグールド・ブームに変わり、グールドをひと通り聴いたところで終息しつつある。グールドのピアノは仕事のBGMにぴったりなので今後も聴くけど、他のクラシックにはあまり興味が深まらなかった。グールドは僕のポピュラー音楽耳でも楽しめる。クラシックの範疇からはみ出てるところがいいのかな。

 → ゴルトベルク変奏曲('55)

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