金融危機 ― 2008年10月14日
ここ数十年の世界経済は、アメリカ人が世界中からお金を借りて使いまくることで成り立ってきた。そのアメリカ人がついに「お金を返せない」と言い出したので世界中がひっくり返っているわけである。
こういうことになるのは前から分かっていたのだ。僕は10年近く前にこんなことを書いた。何かピンボケな部分もあるが、とにかくアメリカのバブル崩壊は必然だと言っている。でも実際にそうなるのには10年もかかった。
「貿易赤字のアメリカが借金をどうやって返すのか」という反語的疑問の答えは今になって分かった。返さないのである。返さずに更に借金をし続けて、最後はバブル崩壊によってチャラにする。これから世界中で行われる「不良債権処理」というのは、突き詰めるとアメリカの借金を棒引きにする作業だろう。
だとするとこれから先、元の世界経済のあり方には戻れないことになる。元に戻るとは「また世界中がアメリカにお金を貸す」ということだが、アメリカは多重債務で自己破産した人みたいなものだから、当分はお金を借りられない。
日本はアメリカに工業製品を売ることができなくなるから、当面は大不況に陥ることは間違いない。大恐慌かもしれない。銀行が潰れて預金が引き出せなくなったりするんだろうか。物流も滞って食料が手に入り難くなったりしないか。僕は悲観的な人間なのでいろいろ心配してしまうが、どういう風に備えたらいいのかがイマイチよく分からない。地震や新型インフルエンザへの備えも兼ねて、食料のストックは増やした方がいいような気がする。
ともかく「いかにお金を使わずに楽しく生き延びられるか」という方向に進むしか無いと思う。そうすると生活がエコロジカルになるという利点もある。ついに観念世界のエコノミーと実体世界のエコロジーが一致するときが来たのかも知れない。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://bun.asablo.jp/blog/2008/10/14/3819240/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。