三権分立2009年07月12日

日本の国家機構は司法・立法・行政の三権分立であると中学の社会科で習ったような気がする。しかし、ホントはそれがどうもうまく機能していないようだ。恥かしながら最近まで知らなかったのだが、日本の法律のほとんどは立法担当の国会議員ではなく行政担当の官僚の皆さんが作っているらしい。だから珍しく国会議員が作った場合にはわざわざ「議員立法」などというのである。じゃあ、国会議員が国会で何をしているのかというと、官僚の皆さんが作った法律を成立させる儀式をやっているだけだということになる。

司法の裁判官・検察官・弁護士は司法試験に受かった人がなる。行政の官僚は国家公務員試験に受かった人がなる。立法の国会議員は選挙に通った人がなる。司法と行政の担当者はペーパーテストで選ばれて、我々が直接選ぶことができるのは立法担当だけである。その国会議員が儀式をやっているだけではイカンではないか。これはつまり、日本国の国家システムの現状では一般市民がないがしろにされているということだが、ちゃんと立法の仕事をしない国会議員を選んできた我々の側にも問題がある。そこんとこは今後注意しなくてはいけないと思う。

三権分立の日本国において立法の担当者は遊んでいて、実際に権力を行使しているのは司法と行政の担当者である。その人たちは暗記物のペーパーテストで選ばれている。暗記物のペーパーテストに最も強い人が行くのは東大法学部である。だから現在、司法のトップである最高裁判所裁判官は15人中7人、官僚のトップである事務次官は14人中9人が東大法学部卒である。なんでそういうことになっているかというと、東大法学部というのが明治初期に官僚養成のために作られたものだからだ。明治維新以来、太平洋戦争の敗戦を経ても日本国の実態は変わっていないわけである。

現在の日本と世界の状況は全く先が見えず混沌としている。そこには正解と呼べるような答えは無さそうである。そういう状況で「正解のあるペーパーテスト」に強い人たちだけが日本の国家権力を行使していて良いものだろうか。結局、国会議員がもっとマジメに立法をせんとイカンのである。それと、司法試験や国家公務員試験に創造性や感性を評価する正解の無い科目を取り入れるべきである。以上2点をマニフェストに取り入れる政党があれば、僕は応援します。

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