「硝子戸の中」 夏目漱石 (岩波文庫)2009年09月02日

漱石のエッセイ。小説とは全然違うサラッとした文章で読みやすい。病気療養中に書いているせいか、しんみりした雰囲気が漂う。さすがは漱石先生、身の回りのできごとや過去の回想を書くだけで短編小説みたいになっている。

エッセイに出てくる漱石自身の行動が面白い。坊っちゃんのように一本気で馬鹿正直なところがあったようだ。手紙を送ってきたり家に訪ねてきたりする読者がいると、厚かましい要求におっちょこちょいな対応をしたり、生死に係わる人生相談に深く誠実に応対したりする。先生自身がすごく魅力的なキャラクターである。

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