「きのこのヒミツ」展 ― 2009年10月21日
僕は食べ物で一番苦手なのが椎茸でマッシュルームは好きだが、キノコにあまり興味は無かった。うちの奥さんはキノコに興味があるらしく、大阪市立自然史博物館のきのこのヒミツという展示を見たいというので行った。
キノコの標本は茶色くしなびているんじゃないかと思ったら、意外に綺麗だった。キノコは9割が水分なのに標本が干からびていないのは、フリーズドライで作っているからだという。毒キノコが多くて恐ろしげだが、カエンタケ以外は触っても害は無く、キノコというのは食べなければ他の動植物より危険は少ないものだそうである。
我々と一緒に朝一番に展示室に入ったおじさんが手帳にメモを取りながら熱心に標本を見ている。おじさんは自分の山に生えているキノコが食べられるかどうか知りたくて京都から来たのだと言う。おじさんが受付のおねえさんのところに行って何か質問をしたところ、学芸員の青年が呼ばれた。
おじさんの興味は自分の山のキノコが食べられるかどうかの一点に絞られているのだが、学芸員の説明によると、食べられるかどうか(専門用語では「食毒判別」)を言うのは簡単ではない。キノコを見分けるのは難しいし、毒は無いが不味いという場合もある。毒性を調べるのにネズミで実験しようと思っても、ネズミは嘔吐しないから使えないのだそうだ。
標本の他に本郷次雄という学者のキノコの彩色スケッチがあり、これは精緻で素晴らしいものだった。南方熊楠が作った標本もあったが、こちらのスケッチは本郷さんに比べると平凡。
キノコのイメージについての展示によると、絵本やオモチャによくある「赤い傘に白い斑点」というキノコは、かわいいデザインだが有毒のテングダケである。
思った以上にいろいろと面白かった。奥さんは帰りに売店でキノコの標本の絵柄のTシャツを買った。
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