「マネーを生みだす怪物」G・エドワード・グリフィン2006年01月07日

副題は「連邦準備制度という壮大な詐欺システム」。連邦準備制度(FRS)はアメリカの中央銀行で、日本でいうと日銀だが、FRSはアメリカの公的機関じゃないというからビックリ。著者はFRSはアメリカの銀行のカルテルであって、公共の利益に反するし、経済を混乱させ、戦争を助長するから廃止すべきであるという。

廃止してどうするかというと、ドルを兌換紙幣に戻すべきだというのである。そうすればドル紙幣を無限に刷ることはできなくなる。インフレやバブルが発生しなくなり、戦費を簡単に調達することができないから戦争もやりにくくなる。著者は「金または銀の裏づけなしにマネーを発行するのは憲法違反だ」と指摘する。

日本人が働けど働けどハッピーにならないのは「実質的に価値のあるものに交換できない」ドルを溜め込んでいるせいだから、我々にも関係ある話だ。仮にドルが兌換紙幣に戻ったら、アメリカはドルを無限に刷って外国製品を買うことができなくなり、輸出に頼る日本経済も短期的には困ったことになる。でも長期的にはその方が良さそうだ。

コメント

_ hide ― 2011-01-26 02:22

なるほど。G・エドワード・グリフィンのあの投稿はそういうことだったのですね。意味が分かりかねていたところ、この記事を見てやっとわかりました。ありがとうございました。

_ ぶんよう ― 2011-01-26 08:34

hideさん、こんにちは。
「あの投稿」ってどんな投稿なのか興味が湧きました。
後学のため教えていただけるとサイワイです。

_ hide ― 2011-01-26 09:34

YOU TUBEの「資本家の陰謀」という作品です。私は、ぶんようさんもこの作品を見て記事にしたのかと思っていました。アドレスは以下のとおりです。

http://www.youtube.com/watch?v=hy3tPen4saM&feature=related

_ ぶんよう ― 2011-01-26 19:06

僕の記事はタイトルのとおり、グリフィンの「マネーを生み出す怪物」という本の感想です。グリフィンさんがあんな動画を作っていたとは知りませんでした。なかなか面白いですね。情報をありがとうございます。

_ hide ― 2011-01-27 02:05

ぶんようさんの説明がうまいからだと思いますが、この記事だと1分で内容が分かります。しかし、YOU TUBUの作品を見てもあまりピンときませんでした。G・エドワード・グリフィン氏の主張は、活字のほうが理解しやすいのではないかと思いました。

一方、以前見た床修理の映像は一目でやり方が分かりました。こういうのはやはり活字より映像のほうがわかりやすいと感じます。情報には映像向きの情報と活字向きの情報があるようですね。

_ ぶんよう ― 2011-01-27 16:45

「マネーを生み出す怪物」は分厚い本なので要約するのにも苦労しました。本を読むのが苦手な人にはあの動画の方が判りやすいかも知れません。グリフィンさんの話はリーマンショック以後の今聞くとリアリティがありますが、あの動画が作られた’72年当時はなかなかマジメに受け取ってもらえなかったのだろうなと思いました。

たしかに床修理の説明なんかは文章で読みたくないですね!

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