「偽」2007年12月13日

今年を表す一文字は「偽」であるということになって、清水寺で大きな字を書いたお坊さんが情けないと憤っていた。「日本人の倫理観の低下」みたいなことを言って嘆く人もいる。

今年は消えた年金をはじめとしていろいろな偽りがバレたし、その偽りに対して憤るのはもっともだ。しかし、最近バレているいろいろな偽りの多くは、何年も何十年も前から行われてきたことなのだから、今年特に悪いことがたくさん起きたと考えるのはおかしい。

いろいろな偽りがどんどんバレるようになったのは良いことである。今までバレなかっただけで、昔からいろいろな偽りはあったのだ。最近バレているのは内部告発が多くなったからで、今まで起きなかった内部告発が起きるようになったのだから、日本人の倫理観は向上したと捉えるべきではないか。

あるいは、今までは「偽りを告発せずに内部の利益を守る」というのが日本人の倫理観だったのだが、構造改革によって内部というものの範囲が曖昧になった結果、倫理観の現れ方が変わっただけなのかもしれない。

どちらにしても、「大企業だろうが役所だろうが、ウソ偽りを続けているといつかはバレて潰れるかもしれない」という状況が生まれたので、世の中から偽りが少なくなることが期待できる。

コメント

_ hijk ― 2007-12-15 08:43

>> いろいろな偽りがどんどんバレるようになったのは
>> 良いことである。
なるほど!こう考える方が正しいし前向きですね!
目からウロコです。ありがとうございました☆

_ ぶんよう ― 2007-12-15 16:14

ご賛同ありがとうございます。極端にいうと日本の過去の安定は偽りの上に成り立っていたようなもので、偽りがバレると我々は不安定な現実に直面することになって大変ですが、まあそれが正しくて前向きなんだからしょうがないですね。「マトリックス」の赤い薬を飲んだようなものだと思います。

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