甲子園2010年04月03日

昨日、実家に行ったついでに甲子園に行った。沖縄対岐阜の準決勝。高校野球を観るのは中学生の頃以来だから三十数年ぶり。相変わらず高校野球の外野席はタダである。ちょっと寒くて、張り替えたばかりの芝生もまだ色があまり良くない。
観客は1万5千人くらいか。三塁側アルプスの岐阜より一塁側の沖縄の方が応援の人数が多い。きっと関西在住の沖縄出身の人々が集結しているのだろう。沖縄が打ちまくって一方的な試合。「ハイサイおじさん」の演奏に合わせて指笛がよく響いていた。
甲子園の外壁のツタはまだこんな具合。数年前に甲子園で拾った種を我が家の坪庭に植えた経験でいうと、ツタは1年で1メートルくらい伸びる。外壁を全部覆うようになるには20年くらいかかるんではなかろうか。

ランドセル2010年04月06日

いらなくなった娘のランドセルをアフガニスタンに贈る。アマゾンのダンボール箱2つを組み合わせるとちょうど梱包できた。前に息子のランドセルを贈ったときに比べると、輸送費用の振込みがネットバンキングでできるようになったのが時代の進歩。

アフガニスタンの治安状況は最悪のようだ。日本人ジャーナリストが行方不明というニュースもある。ランドセルはちゃんと届くのだろうか。

「ん 日本語最後の謎に挑む」 山口謠司 (新潮新書)2010年04月09日

僕も「ん」について考えたことがある。この本の冒頭にも出てくる話題だが、日本語には「ん」で始まる言葉が無い。それは「ん」は日本語に元からある要素ではなく、発音の便利のために身体が言葉を省略しようとした結果生まれた音だからだろう。つまり、小さい「っ」で始まる言葉が無いのと同じことである。「ん」も小さく書くようにすれば良いのではないかとも思う。

音便の「ん」以外に、外来語由来の「ん」というのもある。昔の日本に外国(中国)から「ん」の音が入ってきたときに、どうやって表記するか苦労したという話が興味深い。「ニ」で表したりしたこともあるらしい。「ん」一文字のネタだが、話が日本語の歴史全般に及んでいて、なかなか説得力のある面白い本だ。

「1Q84 book3」 村上春樹2010年04月18日

book1、2では知らない世界に連れて行かれていろいろびっくりしたが、今回は帰り道だから新しい景色に出会わない。この収束する感じは「ねじまき鳥」第3部のときとはちょっと違う。book1、2で膨らんだ世界が縮んで行くような話で、読むのが楽だった。

しかし例によって1回読んだところでは、書いてあることが判っただけで、その意味はよく判らない。作中の小説『空気さなぎ』のように、ただのファンタジー小説のように見えて実は社会的な効果を狙っているのかもしれない。あるいは、ユングの『塔』について書かれているように、個人の意識の分割と展開を示唆する曼荼羅として書いたのかもしれない。

今回一番印象に残った比喩は「長い貨物列車が鉄橋を渡り切ることができるくらいの時間をかけてようやく小便を終えると」というもの。


レンズ設計・製造展2010年04月23日

展示会出展のため横浜に出張。家から新大阪に向かう電車の中で、黒地に白の水玉のミニスカートにモスグリーンのジャンパーを着て金髪に染めた女の子が横書きの本を読んでいた。最近、モスグリーンのジャンパーを着た女性をよく見かける。駅に着いてパタンと閉じた本の表紙には「変容するベトナムの経済主体」と書いてあった。経済学部の学生なのかな。

新大阪で「浪速弁当」という箱寿司を買って新幹線で食べたら旨かった。iPodでずっとYUKIの曲を聴いていた。東横線で、ベージュのジップセーターにジーンズを履いて髪を明るい色に染めたアラフォーの女性が本を読んでいた。村上春樹の小説に出てきそうな感じの人だなと思ったのだが、降りる時に閉じた本の表紙を見ると1Q84book3だった。1Q84book3を出張に持って来ようと思っていたのだが、もう読んでしまったので持って来ていない。

パシフィコ横浜で2時から5時まで設営した後、同僚と中華を食べてランドマークタワーのホテルにチェックインする。ボーイが部屋まで案内してくれる高級ホテルだが、1万2千円で取れたそうだ。正規料金だと3万5千円もする。衛星放送で阪神広島戦を見る。金本の代わりにレフトを守る狩野がホームランを打って快勝。ホテルのそばの成城石井に朝食のパンとジュースを買いに行って、風呂に入って寝る。

翌朝、ふと腕時計の気圧計を見ると985ヘクトパスカル。低気圧が来てるのかと思ったが、よく考えるとここは61階で250メートルくらいの高さだから、地上より25hPaくらい低いことになる。↓右端の白い屋根がパシフィコ。

展示会初日は出足低調。不況だ。この業界は先行投資部門なので、昨今の経済縮小の影響は大きい。夕方、某有名カメラメーカーの若者が来て、レンズの試作の相談を受ける。その会社なら当然社内でできる内容なのだが、「社内で頼むとメチャクチャ高いんですよ」と嘆く。これは僕も会社員時代に経験がある。社内の他部署に仕事を頼むと高いので、仕事を外に出すことになるのだが、全社的にみると外部流出だからもったいない。おかしな話である。ともかく我々にお任せ頂ければお安いですよという話をする。

5時に終わって6時の新幹線で帰る。新横浜で買った「21世紀出陣弁当」を食べる。5年くらい前に食べて旨かった記憶があったのだが、そうでもない。往きの箱寿司の方が上。新大阪から家に帰る途中の電車で、前に立った青年が漱石の「彼岸過ぎまで」の文庫本を読んでいた。その本は僕も読みかけで、ずっと寝床の枕元に置いてある。